パチンコ依存症から抜け出した時の話。

earendil02 / Pixabay

昨日、ネットで「アルコール依存症」を題材にしたドラマを観たの。

篠原涼子主演の「溺れる人」というドラマで、専業主婦がアルコール依存症に陥ってしまうお話。

主人公は、母親からの過剰な期待や過干渉に幼い時からプレッシャーを感じていて、それがきっかけで大人になってから、アルコールに逃げるようになる。

一人暮らししていた東京から故郷に戻ったのをきっかけに、高校の先輩と再会して結婚、専業主婦になるのだけど、アルコールへの執着は止むことがない。

夫も、自分の妻が異常にお酒を好きなことを怪訝に思うようになり、仕舞いには家中のお酒をあるだけ飲んで泥酔、翌日には記憶がなくして、そんな自分を毎日反省するように・・

妊娠をきっかけに一度はお酒を止めたけど、出産後に夫に隠れてまたお酒を飲むようになり、朦朧とした意識の中で万引きまでしてしまう・・

こんなあらすじで、正常な人から見ていると「主人公はどうしてお酒を止めらないのだろう?」と感じると思う。

あたしは、アルコール依存症になった経験はないけど、一時期パチンコ依存症だった時があって、

「やめたいのにやめられない」

↑この感覚、理解ができるの。

今はもう、パチンコとは縁のない生活を送っているけど、どんな経緯でパチンコ依存症になって、どうやってその状態を脱したのか、まとめてみるわね。

パチンコに嵌ったきっかけ

もう10年近く前の話。
その頃のあたしは、転職に躓いていた(つい最近も、そんなことあったけど・・)

何をやってもうまくいかない日々が続いて、たまたま駅前にできた大型パチンコ店に行ってみたのよね。
それこそ、5年ぶりぐらい。
パチンコに嵌まる前は「ギャンブルなんて儲からない」って、きちんとした認識があったのよ。

でもさ、その時はつまらない日々が続いていて、そんな中で運が良いのか悪いのか、久しぶりに行ったパチンコで3万円近く儲かったのよね。

何も楽しみのない日々に、パチンコで当たった時の快感はとても刺激的で、あっという間に嵌ってしまった。

なんかもう、「パチンコが人生の全て」みたいになっちゃったのよね。

パチンコ依存症だった時の日々

勝てたのは始めの方だけで、通えば通うほどにどんどん収支はマイナスになっていった。
その当時、短期派遣の仕事をしていたのだけど、そこがストレスの多いコールセンター。
ほとんどが苦情みたいな電話で、毎日仕事に行くのが憂鬱だった。

コールセンターって女が多い職場なんだけど、大奥の陰険ないじめとか細々とした意地悪にもうんざりしていたのよね。
不満が募る一方。
短期派遣ですらも耐えられなくて、担当のコーディネーターさんに「辞めたい」って言ったのに、辞めさせてくれない。

繁忙期だけの使い捨てなのに、こんな時だけがっつりと手を繋いでくる。
早番で9時から働いているのに、センターが閉まる21時まで残業を強要される。

そんなあたしの唯一の救いは、パチンコ。
電飾が激しくて、楽しい演出がたくさんのパチンコ台に向き合っている間は、嫌な事も忘れられたの。

仕事帰りにパチンコ、休みの日もパチンコ、仕舞いには仕事を休んでパチンコ・・

パチンコ店に行く度に体中がタバコ臭くなって、心底憂鬱な気分になるのに、それでもパチンコ店に行きたい。

1万円札は機械の中に吸い込まれていって、数十分でなくなってしまう。
「これだけお金を賭けたんだから」って、当たるまでその台から離れられない。

そのうち資金がなくなって、近所のコンビニATMでお金を下ろす始末。

そんな日々を続けて、貯金がどんどん減っていく。
銀行口座に100万円入っていたのに、パチンコに嵌まるようになってから、30万円まで減ってしまったの。

貯金がなくなる恐怖の中、1日で4万円負けた時があって、それがきっかけで「もうダメだ」って強く思った。

パチンコをやめる決意をしたわ。

パチンコ依存症から抜け出すためにやったこと

まず、パチンコは「良いもの」ではなく「悪いもの」と思い直すことにした。

今までは「最高の娯楽」だったけど、これからは「人生を壊すもの」として考える。

まず、ネットで「パチンコ依存症で人生がめちゃくちゃになった人の動画」を観た。
今までの自分と、まったく同じような行動を取っていて、とても他人事に思えなかった。

その後、同じようにパチンコ依存症で悩む人たちが集まる、ネットの掲示板を見つけた。
そのサイトの管理人は、パチンコ依存症から抜け出した経験があって、同じ苦しみを持つ人たちを助けるために、掲示板を開設したらしい。

ネット上でも、同じ苦しみを分かち合える相手ができて、少し気が楽になった。

他には、パチンコの「当たる確率」について、よく考えてみることにした。
今の機械はどうか分からないけど、その当時のパチンコ台は大体「300分の1」ぐらいの確率で当たる。

でも、この確率は「300回くじを引けば、必ず当たる」わけではない。

普通のくじ引きの場合、くじを引けば数が減っていくけど、パチンコの場合はくじを引いても数は減らない。

「ハズレくじを引いたら、そのくじをまた箱の中に戻して、再び抽選する」

↑これをずっと繰り返しているから、確率分母である300回、くじを引いても必ず当たるとは限らない。

勝てる確率は、とても低い・・

そして、パチンコ屋さんが潰れず、従業員のお給料も良い事を考えれば、客が儲かるようにはできていない娯楽なのだと思う。

こんな風に、冷静且つ客観的に考えて、パチンコに行きたい気持ちをグッと堪える日々を続けたら、一ヶ月ぐらいでなんとか抜け出す事ができたの。
禁断症状みたいに、頭の中でパチンコの音楽が流れたりして辛かったけど、これ以上、酷い人生にはしたくなかった。

抜け出せる日は来る

あれ以来、あたしは一回もパチンコ屋に行っていない。
行きたいとも、打ちたいとも思わない。
今となっては、あの取り憑かれたような日々が、なんでなのか不思議でしょうがない。

その時は、「やめるのなんて無理」って苦しかったけど、やろうと思えばなんとかなった。

「意志が弱い」だけでは片付けられないこと、たくさんあると思う。
自分自身が制御できない時は、「意志」だけでなく「自分の現状を理解すること」も大事なんだなと感じた出来事でした。

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