最低彼氏5人目「勘違い自称ドS男」

あたしには昔、10歳ぐらい年上の「自称ドS」の彼氏がいた。

ちなみに、よく勘違いされるのだけど、あたしは「M」ではない。
あたしは、物腰が柔らかいし優しい雰囲気のしゃべり方なので、周りの人が勝手に変な勘違いをしてきて「艶子ちゃんってMでしょ?」って言ってくるけど、あたしは「S」とか「M」って、素人が語るものではないと思う。

人の揚げ足を取るのが得意とか、気になる女の子にちょっと意地悪するぐらいで、自分を「ドS」だとか言う馬鹿な若い男が増えている気がするけど、そういう人は然るべき書籍を読んで、「S」と「M」がどんなものなのか、ちゃんと学習して欲しい。

今日、お話するのは、あたしが若くて無知で、アホな男と付き合っていた頃のお話。
そう・・あれは、ひと夏の・・・

汚点

自称ドS彼氏との出会い

あたしの出会いの方法と言えば、大体がネットか飲み会辺りなんだけど、今回はネット。
昔から年上の男が好きだったあたしは、周りの友達と違って年齢差の許容範囲が広かった。

同年代の若い男の子と付き合うよりも、包容力とか頼り甲斐を求めて、二十歳の時に三十路オーバーの男の人と付き合っていたりした。

あたしが二十歳ぐらいの時は、ちょうどネットやPCが各家庭に普及し始めた頃だったので、ネットで出会いを探す時の黎明期!

今じゃ、ライトに出会えるスマホアプリがあったりしてすごいよね。

あの頃はデジカメもまだ出始めで、ケータイにカメラ機能なんか付いていなかったから、写メ交換もできなかったわね。

ネットで知り合ったらメールをやり取りして、それなりに気が合いそうなら会う約束とかしてたわ。

「自称ドS彼氏」とも、その流れで出会った。

メールをやり取りしている時も、

「俺、ドSだよ?」
「君みたいな年下のかわいい子をいじめるの好きだけどね!」

みたいな事を言われて、若かったあたしは冒険心もあり、けっこう夢中になっていた。
今思うと、何がいいのかさっぱり分からないのだけど。

あの頃は若いと言うだけで売れた

あたしがブスで売れないオカマだと言うことは、このブログを読んでいる人はなんとなく知っていると思うけど、あたしも若くてピチピチしていた頃は、まだ市場価値があった。

若さってすごい!

自称ドS彼氏と始めて対面したのは、東京都江戸川区にある某ファーストフード店。

その頃のあたしはファッションセンスが最悪で、水色のカットソーに赤いボトム、オレンジのトートバッグとか持っていた。
それにプラスして、その当時の自分の教祖であった浜崎あゆみを意識して、髪をミルクティーベージュみたいなカラーにしていた。

今思うと、かなりドぎつい色合いだったなぁって感じる・・

でも、そんなファッションセンスも若さでカバーできていたらしい。
初めて会う自称ドS彼氏は「おしゃれだね!全然ブサイクじゃないよ、かわいいじゃん!」と言ってくれた。

ちなみに、自称ドS彼氏は俳優の山崎銀之丞さんみたいだった。

山崎銀之丞

ちなみに、山崎銀之丞さんはとっても素敵なおじ様俳優だと思う。

ファーストフードでちょっとおしゃべりした後、自称ドS彼氏の車で江戸川区をドライブした。

まだ、何も知らないあたしにとっては、あんまり行った事のない東京都内を、年上の男性とドライブなんて、かなりの大人デートに感じて、帰り道には自称ドS彼氏を好きになっていた。

安い女である。

それからもメールをやり取りして、三回目のデートぐらいで付き合う流れになった。

自称ドS彼氏は、自分をドSと言っていたのに、

「良かったら、俺と付き合わない?」

と、告白は控え目だった。

「お前、俺のものになれよ」

とか言わないのね。

あたしが放つ好き好きビームを感じ取ってから告白するなんて、今思えば慎重で全然ドSじゃない気がする・・

あたしはもちろん、もったいぶらずに即OKした。

これだからブスは!

彼の似非ドS

付き合う前は特にドSな素振りを見せなかった彼。
しかし、あたしが正式に恋人の座に着いてからは、分かりやすく変化していった。

それは、定番のドライブデートをしていた時・・・

「おまえさ、俺はどこ行くか考えて、車も運転してやってんの、ガソリン代払えよ」

あたしもあの頃は若くて常識がなかったから、ガソリン代まで気が回らなかった。
まあ、ガソリン代を要求するのは常識の範疇だとは思うけど、この催促の仕方である。

二人で彼の家でまったりしていた時・・

「ピー!(自粛)になって、ピー!(自粛)を開いて、ピー!(自粛)の前に立てよ」

まるで、安いセクシービデオみたいな要求をしてくる自称ドS彼氏。

世の中には、ビデオで学習した事をまんま再現する馬鹿な男は多い・・と思う。
ちなみに、この要求はさすがに断った。

他にも「俺の前でピー!(自粛)の毛を処理しろ」ど、なんかの漫画を参考にしたのか、下らない要求をされたが、あたしは困る素振りを見せて、なんとか断っていた。

まあ、自称ドS彼氏は、その困り顔が見たかった・・のかも知れない。

ドS彼氏との別れ

クズみたいな要求ならまだしも、あたしが一番嫌だと思っていた事が「金銭の要求」だった。
二十歳のあたしにとっては、30歳の男性はメンタル面でも収入面でも、とても頼りになるものだと思っていた。

しかし、蓋を開けてみればデート代は割り勘が当たり前で、奢ってくれたのなんてサイゼ◯ヤぐらい(大好きだけど)

時には、その割り勘でさえ、

「俺、今月苦しいから1000円だけしか出せないわ。あと払っておいて」

なんて、その当時、時給750円で働くフリーターのあたしに平気でそんな要求をしてきた。

お金の事に限らず、彼からの愛情を全然感じなかったあたしは、出会いと同じように別れもメールで伝えてやった。

自称ドS彼氏からは、

「ふ~ん、いろいろ我慢してたんだ。お前もこういうのが好きなのかと思ってた。俺に合わせられないなら、別にいいよ?」

↑こんな感じの、かなりイラっとする返事が来たのは今でも記憶している・・

彼は今・・

あたしがアラフォーになったという事は、彼は現在アラフィフオヤジになったはず。
果たして、どんなおじさんになっているのだろうか?
ダメな男の人って、歳を取るとどういう風に進化していくんだろう・・?

近くでは見たくないけど、遠目になら見てみたい気が・・しないでもない。

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