都市伝説や怖い話は、一人称の語りだと興ざめする時がある。

rommelsharma / Pixabay

最近のテレビって面白くないよね。
テレビ業界の不況も相まって、クイズ番組とか素人参加型の世間に文句ばっか言っているようなバラエティが増えて、新番組が始まっては終わっての繰り返し。

坂上忍とか西川史子とか、憎たらしい雰囲気のタレントをよく見掛けるけど、1日の終わりにこの人たちの不穏な顔はあんま観たくないかも。

お笑い芸人も「ダウンタウン」とか「ウッチャンナンチャン」みたいなスターはいなくなって、みんな小粒感が漂っているし、みんな生き残るために少ないパイを譲り合っているのかしら・・

退屈だとスマホを見ちゃう

テレビがつまらないとスマホで面白い動画を探したり、自分が気になる情報のまとめ記事を読んだりするのは、ごく自然な流れだわね。

かく言うあたしも、やる事がなくて退屈していると、ついつい「日本で起こった不可解な未解決事件」とか「怖い都市伝説」とかをネットで探して読んじゃうの。

読み終わった後の「ゾワ」ってする感じが癖になるのよね、あれ。

特に都市伝説はさ、ジブリの「となりのトトロ」が有名じゃない?

あんな可愛らしいファンタジーなのに、

「実はトトロは死神で、生きている人間には見えない」
「さつきとメイの姉妹は、物語の最初から死んでいる」

なんて、恐ろしい裏設定があるのかもって話は、ひんやりした気持ちにされてくれるわよ。

また、裏付けもけっこうちゃんとしているのよね。
気になる人は、自分でネットで検索して調べてみるといいわよ♪

たださ、そんな都市伝説も内容によっては興ざめするネタもあるのよ。

部屋に見知らぬ不審者が来るパターン

散々使い回されたパターンだけど、

一人暮らしのAさんは自分の部屋に、ある異変を感じていた。
自分で移動した覚えはないのに、部屋にある物の位置が動いているのだ。
心配になったAさんは部屋にビデオカメラを仕掛けて、自分が不在の間の部屋を撮影することにした。
Aさんが帰宅すると、やはり部屋になる物の位置が変わっている。
Aさんは早速、撮影したビデオカメラの映像を観ることにした。
そうするとそこには、観たことのない人物(主人公とは異性)が刃物を持って映っていた。
その人物は部屋の中を物色すると、何かに気付いたのか押入れに隠れた。
そしてその後、カメラには今帰宅したばかりのAさんが映って・・・

↑というわけで、ビデオカメラの映像を観たことで、部屋に侵入してきた不審者とリアルタイムで一緒にいるのに気付いてゾッとするお話なわけね。
このパターンって、後日談は語られていなくて「気付いたところで終わる」わけだけど、この話の語りを全部「俺」とか「私」みたいな一人称で語られると「ん?」ってならない?

他社目線で語られるなら「Aさんは不審者に殺害されて、残されたカメラの映像から事件のあらましが分かった」という解釈ができるけど、自分自身が体験した話にしちゃうとさ、

「あなた、元気に体験談を話しているけど、押入れに不審者がいるって気付いた後はどうしたの?」

って、どうやって生き延びたのか、不審者は誰だったのかが気になるのよ。
話の最大のポイントが「不審者と今、同じ部屋の中にいる」「不審者は刃物を持っている」の2点から、読者に「Aさんはこの後、不審者に殺されてしまうのだろう」と想像させて「ゾワ」っとさせる事なのに、体験した本人の語りにしちゃうとさ、「生きてるじゃん。それで不審者は誰だったの?」って話の一番盛り上がる箇所がずれちゃうよね。

見てはいけないものを見てしまったパターン

これは大体、人里離れた集落みたいな田舎で起こるやつね。

僕は両親と兄の4人家族。
夏休み、僕は家族で父の実家に帰った。
父の実家は東北にある農家で、過疎化が進んでいるような田舎の集落。
父の実家に着いた僕と兄は、退屈を紛らわすために、近所を探険することにした。
どこまでも田んぼや畑が続く道を走り回っていると、遠い所におかしな物体を見つけた。

それは人間のような形をしているのに、到底、人間とは思えないおかしな動きをしていて、僕と兄はそれが何なのか、すごく気になった。
興味はあるけど近づくのは気が引けたので、兄は持っていた双眼鏡(←ご都合主義)で「おかしな物体」を覗き込んだ。
すると、兄の表情からはみるみるうちに血の気が引いていき、気が触れたように突然走り去ってしまった。
兄の様子が気になり父の実家に帰ると、兄は正気ではなくなっていた。
祖父や祖母の話では「おかしな物体」は、その集落では「まともに見ると気が触れてしまうため、見てはいけないもの」とされているらしい。
帰る日になっても兄は元に戻らず、父の実家に兄を残して一家は帰る事になった。
その帰り道、車からふと外を見やる僕。

そこには・・・あの「見てはいけない、おかしな物体」がいた・・

けっこう長かったわね!
これもさ、一人称が「僕」だと「おかしな物体」をまともに見た人は気が触れちゃうはずなのに、元気に体験談を語っている事になるじゃない?
結末で今までの話しを全て否定しているよね。

「おかしな物体」の得体の知れない怖さよりも「主人公の僕はなんで無事だったの?」って、読み終わった瞬間に気になって仕方なかったわ。

都市伝説も怖い話もミステリー感を大事にして欲しい

都市伝説とか怖い話とか「本当かも知れない」って思う所に「ゾワ」っとするのよね。
でも「100%作り話じゃん」ってボロが露呈しちゃっているのは、すごく残念な気持ちになるわ。
ネットに投稿する前にさ、トトロの都市伝説みたいな裏付けを、しっかりとして欲しいものだわね(←何様?)

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