中村うさぎ先生著『女という病』に夢中になった。

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あたしの人生に影響を与えた人は、ほとんどが女性。
例えば、飯島愛姐さんとか杉田かおる師匠とか、岩井志麻子先生とか・・

中でも、あたしの闇が深い部分にいつも答えを出してくれるのが、作家の『中村うさぎ先生

あたしが中学生ぐらいの時はラノベも書いてたみたいだけど、2000年前後は自身の買い物依存症をテーマにしたエッセイで有名だったのよね。
その後は女性の業や性に関しての本を多数出版しているけど、中村うさぎ先生の著書を読むと、ずっと解決しなかった心の問題の答えがあったりするの。

何かを期待しているわけじゃなく、たまたま図書館でものすごく惹かれるタイトルを借りてみると、その中に運命の一文を見つけたりするんだよね。

例えばね、

『そもそも人は公平ではない』
『自分に価値があることを解っている女は、自分の価値を更に高めるために他人の男を奪う』

中村うさぎ先生の言葉通りではないかも知れないけど、自分を傷つけてきた相手がどんな考えの元にそんな言動をとったのか、やっと腑に落ちたというか・・

不可解だったものの『解』が、やっと出たのよ!
数学の問題が解けた時みたい。

今回は、あたしが最近読んだ中村うさぎ先生の著書『女という病』について紹介するわね。

『女という病』とは?

これは2005年に出版された本で、中村うさぎ先生が主に「2000年代前半に女たちが起こした、業の深い犯罪」について考察・分析しているの。

「ああ、こんな事件あったなぁ」って思い出すものもあれば、知らなかった事件もあるけど、登場するのは業の深い女ばかり。

男の犯罪者って『金』とか『性欲』とか、乱暴で短絡的な理由で犯罪を犯している気がするけど、女の犯罪ってなんか奥が深いわよね。

罪を犯す人・犯罪に巻き込まれる人って一体どんな経緯があったのかって思うけど、どれも知っているような日常から思わぬ地獄に落とされていく・・
そして、会ったことがあるような女たちも何人かいた。

『女という病』に登場した事件で、あたしの心に残ったものを紹介するわね。

第四章「殺意の蝉時雨・保育園長園児殺害事件」

この事件は無認可の保育園を経営する女が、園児を二人殺害した事件。

犯人の女は自らも母親で、経営する保育園には自身の子供もいたらしい。
園児に殺意を抱いたきっかけは「その子たちが自分の子供を仲間はずれにしたから」とか。

幼い子供が死に至るほどの暴力を振るうような人間だから、自分の子供にも虐待していたのでは?とも思われたけど、自分の子供たちには手を挙げた形跡はなかったらしい。

その様子を本では『鬼子母神』に例えていたわ。
自分の子供を生かすために、人間の子供を連れ去っては食べさせていた神様の話ね。
確かハリティーだったかしら?
ペルソナに出てくるよね。

ハリティーは自分の子供を仏陀に隠されて泣き狂うんだけど、その時になって子を奪われる悲しさを理解し改心するって話。

でも、この犯人が改心する事はなくて、『母性』は持っているのに他人の子供を折檻して殺してしまう。

相性ってあると思うから、正直、可愛いと思えない子供もいるけれど、暴力を振るう気持ちってどうしても理解できない。
ましてや、この犯人は自分の子供を育む母性を持っていたわけだし。

まあ、子供を虐待できるような人間の気持ちが理解できたら危ないし、分からないままでいいんだけどさ・・

第九章「親友をバラバラにした女・看護師三角関係殺人死体遺棄事件」

これは看護師の女が同僚でもあり親友でもある女を痴情のもつれから殺害した事件。
犯人の女は地味なタイプで、殺された親友の女はどちらかというと華やかな人だったらしい。

犯人の女が親友を憎むようになったきっかけは、彼氏を寝取られたから。

この事件を語るに当たり、中村うさぎ先生は犯人を『自分を無価値だと思っている女』、被害者を『自分に価値があると解っている女』とした。

犯人の女は『親友がいて恋人もいる、ささやかな幸福に満足している』のに対し、被害者は『自分よりも無価値な女が、自分よりも幸福なのは癇に障った』のではないかと、考察していたわ。
最近の言葉で言うと『マウンティング』が浮かぶわね。

二人で取り合った男って、魅力的な人物ではなかったみたいだし、被害者が本当に彼のことが好きで犯人から奪ったかは微妙。
『自分の方が犯人の女よりも上であること、自分の価値を知らしめる・もしくは高めるため』に、わざわざ親友の彼氏に接近したのかも知れない。

これについては、あたしの周りにも手癖の悪い女がいたから、すごく納得してしまった。

医療従事者だった犯人、被害者を殺害した後は病院から死体を解体するための道具を調達して、バラバラにして捨ててしまったらしい。

殺害後も、犯人の女と取り合われていた男との間で、いろいろ不可解なエピソードがあるけれど、あたしは犯人の女よりも殺された被害者の女の存在が妙にリアルに感じられて、なんだか心がザラザラしたわ。

第十一章「逃げ場所は心中・浮き草売春女テレクラ心中事件」

これは無気力で常に他人に依存して生きてきた、根無し草みたいな女が起こした殺人事件。

幼少期は一応、普通の家庭で育っていたみたいだけど、この犯人の人生が大きく狂い出したのは結婚後。

家庭に入るも、夫が仕事で不在の間に何をしていればいいか分からず、ギャンブル依存に。
子供ができても変わらず、後に離婚することに。

離婚後は手を差し伸べてくれた親戚に依存するけど、ろくに仕事も続かず、知人に借金を重ねる日々。
口うるさい親戚に干渉されるのが嫌で家を出て、テレクラで売春相手を見つけてはその日暮らしをするようになった。

そして、そんな生活にも疲れたのか、テレクラで知り合った初対面の男性を絞殺。

その男性はずっとフリーターだったけど、最近になって定職に就くことを志し、殺害された後に就職内定の連絡があったらしい・・

この漂うように無気力な女・・・あたしの近くにもいたのよ。
何を言っても手応えがなくて、受けた恩を全て仇で返すような女。

こういう誰かに依存しないと生きられない人って、頼る相手が誰もいなくなるとやっぱこうなるのね。
『女という病』には、いろんな女が登場したけど、生理的に一番嫌いなのはこの女だったな。

『女という病』、男性も女性もおすすめです。

というわけで、ただの感想なのであんまり面白くなかったかも知れないけど、『女という病』の中で印象深かった犯人たちを紹介してみたよ。

あたしの感想だと、本の魅力を存分に伝えられないのだけれど、この本は女性なら図らずも理解できてしまうこともありそうだし、男性も「女の自意識」を知る上ではとても参考になると思う。

おすすめなので、是非読んでみてねんねん♪

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