体調がいまいちなせいもあってから、メンタルもずっと低空飛行が続く。
三月の始めから夢中になっている、作家の真梨幸子さんの本を図書館で借りては読む日々。
今回は、ちょっと古い作品なんだけど『女ともだち』って本を読んだの。
ざっくりとあらすじを紹介すると・・
タワーマンションで2人のキャリアウーマンが殺害される事件が発生。
犯人は、片方の女性と性的関係を持っていた配送業者の男。
主人公はフリーライターの女性で、裁判での検察の主張に違和感を覚え、独自に事件の調査を進める。
調査を進める上で、被害者の女性たちのもう一つの顔が浮かび上がってくる。
あらすじだけだと伝わらないけど、女のドロドロ感が満載で、今回もお腹いっぱいになったわ。
このドロドロ感と言ったら・・・あたしの鼻腔内で詰まっている鼻水と同じぐらいなんじゃないかしら?
あの事件をモチーフに
被害者の女性の一人がね、それなりに収入のあるキャリアウーマンでありながら、売春したり使用済みの下着をネットで売ったりして、お金を工面していたのね。
ただ、その女性って・・痩せぎすで骨と皮みたいな女性で、メイクも下手くそ。
ネットで下着を売買する時に添付された画像は、まるで隈取りのようなメイクをしていた・・
んんん?
あたしの頭の中で、ある事件の被害者女性の顔が浮かんでくる。
ああ、『東電OL殺人事件』だ。
確か、90年代後半に起こった、東京電力のエリート女性社員が、廃墟みたいなアパートで絞殺されていた事件。
何でも、彼女は渋谷のラブホテル街に立って、夜な夜な『立ちんぼ』と呼ばれる売春婦をしていたのよね。
それも、破格の安値で。
この事件が起こった当時は、あたしは高校生だったから、あんまり関心がなかったのよね。
世間知らずだったから、なんでこの事件が衝撃的なのか分からなかったのよ。
でもね、ここ二年間で読んだ本や観た映画の中に、やたらとこの『東電OL殺人事件』が登場して、すごく気になるようになったの。
まだネットが普及する前の事件だから、事件当時の資料はあまり残っていない様子だけど、さっきの『隈取りのようなメイク』は、いろいろ調べている時にたまたま目にした生前の東電OLの姿だったのね。
確かに、だいぶ痩せている体に隈取りみたいなメイクをしていたわ。
彼女は何故、あんなことをしていたのだろう?
「キャリアも収入もある彼女が、どうして売春なんてしていたのか?」については、いろんな考察がされているわよね。
本人が死んじゃったから、理由なんて分からないけど・・
これに関しては男性目線よりも、女性目線の考察の方が納得できると思う。
それは『性的な価値』を、自分に求めていたのでは?と言われている。
顔が綺麗なバカ女が、男からチヤホヤされるあれよ。
『キャリアや収入』とは対極にあるわね。
殺害された女性って、お昼にOLとして働いている時は、すごく地味だったらしい。
それに、そんなにお綺麗な方では・・なかったわよね(申し訳ありません)
90年代なんて、まだまだ保守的な時代だったから、いくらキャリアや収入があっても、30代の女性が独身なだけで、いろいろと揶揄されたのかもね。
『男性から選ばれる・選ばれない』って、あたしも無意識のうちに気にしてたもん。
最近はそうでもないけど。
あたしもさ、ブスだけど男性経験はそこそこ豊富なのよ。
お金は取らないけど、どこかでこの『男性から選ばれたい』って気持ちを満たしていたのかな?
東電OLも、似たようなベクトルだったのかしら・・
女は何故、東電OLの事件に惹きつけられるのか?
「エリートが夜は売春婦をしていて、殺人事件の被害者になった」って、かなりセンセーショナルよね。
あの当時、興味本位なマスコミは表面だけをすくって報道したのかも知れないけど、多くの女性は彼女の心の闇が気になったのかも。
時が経っても語り継がれるのは、同じように不安定な心を持った女性がたくさんいるから?
でも、こんなのあたしの想像か・・
今度、東電OLが立ちんぼをしていたラブホテル街に行ってみようかしらね。
もう、その当時の雰囲気は残っていないかも知れないけど。
どんな気持ちで、夜の街に立っていたのだろう・・?