ふきげんよう。
もう男の言葉なんて信じないと決めてから、最近は大体の男が雑草のように感じる。
時々、雑草じゃない男もいるけれど、興味を持ったところで彼らがあたしのことを好きなることはない。
もう、実現しないことに期待するのは疲れた。
艶子は馬鹿であった、本当に時間の無駄であった(ナレーション調)
そういえば、なんでか分からないけど、最近は20代の若い男の子とお話する機会が多いの。
昭和と平成、年号は一つ分しか違わないのに、今の男の子ってなんであんなに顔が小さいの?
ずるい、あたしは無駄に顔が長いのに。
あたしは相手の話を聞きながら、昨今の若者の「小さいスペースにバランス良く顔のパーツが収まっている様」の不思議について考えているけど、この子は「なぜ、目の前にいる中年のオカマがブスなのか?」については考えないでしょうね。
あたしが何を考えているかなんて微塵も気づかずに、自分語りをしているわ。
あたしは他人に語りたいことなんてないのに。
あたし、べつにこの子のことを好きでも嫌いでもないけど、世の中にはこういう若い子を侍らせるのが好きな中年女もいるのでしょう?
自分の醜さを引き立たせる相手と一緒にいて、なにが楽しいのだろうか。
ああ、なんであたしはこんなに偏屈になってしまったのか。
成人してから駆け抜けるように過ぎていった20年の中で、これという何かを得ていたら、
もっと違う人格になっていたのかしら?
自分の半分ぐらいしか生きていない、美しい若者を眺めながら
どんどん意識が遠のいていくのでした。