陰鬱なブスの祈り

congerdesign / Pixabay

人生の中で何度ももらったことのある「お祈りメール」はうんざりだけど・・・
あたし、日常生活の中でけっこうお祈りはするの。

別に神様にお祈りするわけじゃなくて、道を歩いていて

友達がいなさそうな、スクールカースト下位であろう冴えない中学生や高校生
歩行すらもおぼつかない、ヨボヨボのおじいちゃんやおばあちゃん

この辺りの「過去の自分」と「未来の自分」を連想させる人たちをみつけると、祈らずにはいられないの。

あたしはクラスの中で、常にスクールカースト最下位の存在だったのね。
自意識が急激に発達する思春期の頃って、デブとかブサイクとかダサいとか、容姿に対することでランク付けされがちじゃない?
それに加えて内向的な性格だったりすると、人の輪の中に入るのも苦手だろうし、友達がいないか少ないと思うのよね。

みんなで固まって楽しそうに登下校する子たちの後ろで、ブッサイクな子が一人歩いている姿を見かけると、かつての自分を見ているようでキュンとするわ。

大人になれば、子供の頃の価値観なんて下らないものよ?
あなたに良い友達や良い人生が訪れますように。

って、勝手にぶっさいくな子を不幸に仕立て上げて、祈ってるわ。

まあ、あたしの妄想だけど、みんながみんな楽しく集団生活を送れるわけがないから、一定数不幸な子がいると思うの。
だから、祈りたい。

ヨボヨボのおじいちゃんやおばあちゃんたちは、もし生き永らえてしまったら、あたしが迎えるであろう孤独な老後の姿よね。
あの人たちがどんな人生だったか、果たして独居老人なのかは分からないけどさ。

偏屈なあたしが他人と寄り添って生きていけるわけないし、あたしみたいなブスに頼られたい男もいないだろうから、高確率であたしは独居老人よね。
あっ、長生きしたらの話ね。

あたし、祖父母と疎遠だったのもあるけど、正直言うと老人って苦手でさ。
それでも電車で席を譲るぐらいのモラルはちゃんとあるわよ?
苦手って思いながらも、歩くのも大変そうな老人を見ると「無事に家に帰れるといいね」って、今日1日の安全を祈るわ。

ここまで生きてきて、最後が交通事故で死んだりしたら悲しすぎない?
独居老人でも孤独死はしないでほしいわ。

あたしは誰にも看取られずに孤独死する気満々だけど、やっぱり他人が孤独死するのは居たたまれない気持ちになるのよ。

今日も、すれ違うあなたへ、あたしは人知れず祈りを捧げる。
さすらいのシスター(ブス)・あたし。

あなたのこれからに多くの幸がありますように。

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