ごきげんYO!
突然だけど、あたしの前々々世って江戸は吉原の遊女だったと思うの。
きっと、小見世ランクのお店の遊女で、そんなに器量が良い方でもなく、年増になっても借金を返すことができなくて、最後は下級の切見世で鉄砲女郎になって・・そして・・そして・・性病で死んで、その骸はお歯黒どぶで腐っていったはず(涙)
ああ、あたしったら前々々世でもブスだったんだわ。
悲しや・・
吉原の大門を生きてくぐることは叶わなんだ。
ていうか、お歯黒どぶで腐乱死体になったってことは、死んでも大門をくぐれなかったんじゃ・・
そんなわけで、あたしの魂は江戸の吉原に縁のある場所に行くと落ち着くみたい。
・・いや、そんな酷い死に様なのになんでって話よね?
まあいいわ。
なんだかね、最近はパパ活だのママ活だので、素人の若者が芸もプライドもプロ意識もなく、自分の体でお金を稼ぐ時代になったじゃない?
あたしの魂がそれを憂いていて、この体たらくを吉原の姐さんたちに報告しに行きたくなったのよ。
そこで、お参りに行ってきたのが
東京都荒川区南千住にある浄閑寺
駅で言うと東京メトロ日比谷線の三ノ輪駅の近くにあるの。
なぜ、このお寺にお参りに来たかと言うと、江戸時代に吉原がすぐ近くにあって、遊女が死んだ際は浄閑寺に葬られたそうな。
遊女たちのほとんどが貧しい家の娘で、口減らしのために人買いに買われて遊郭に売られてきたので、無縁仏なのよね。
そんな多くの遊女たち含め、災害や戦争で亡くなった人たちのためにも、供養塔があるお寺なのよん。
きっと、あたしが前々々世でお世話になった姐さんたちの魂も、ここに眠っているはず。
何気にただの墓地なんだけど、あたしにはしっくり来る場所みたいで、姐さんたちの供養塔にお参りしたら、荒ぶる魂が落ち着いたわ。
そうそう、他にも一人で生きて一人で死んでいく日雇い労働者たちのためのお地蔵さん?らしきものもあったの。
やだ、孤独死したらあたしもここで供養してもらおうかしら?
思わず手を合わせてしまったわ。
姐さんたちのお参りを済ませた後は、導かれるように吉原があった浅草方面へ。
途中、ふらふら歩いていたら
ちょっと!「吉原大門」って名前のバス停があったわよっ
ここに、前々々世のあたしが生きてくぐることができなかった吉原大門があったのかしら・・・?
とりあえず、さらっと通過してきたわ。
現世ではここを通行するのに、大門切手はいらないのね・・・
その後もずっと歩いて浅草まで行ったけど、人が多くて疲れたわ。
江戸時代はどんな街だったのかしら。
というわけで、今回は「自分の前々々世が吉原の遊女だった」という妄想の元、東京をぶらぶらしてみました。
それにしても吉原の遊女の物語って切ないわよね。
生きて苦界か・・
現代はどうなのだろう。