初めて裁判を傍聴してきたよ!今回の事件をレポート

12019 / Pixabay

在宅ワーク生活もそろそろ限界な気がする最近。
花粉の季節が終わったら、非正規雇用でOKなので安定収入があるお仕事に就きたいと思っているの。

ただ、せっかく時間に融通が利く生活を送っているのだし、いろんな事を経験しておきたいのよね。

それで思い付いたのが『裁判の傍聴』

けっこう前だけど、角田光代さんの小説『坂の途中の家』を読んで、法廷にすごく興味が湧いたのよね。
あれは裁判員裁判のお話だったけど、調べてみたら裁判の傍聴ってけっこう気軽にできるらしい。

というわけで、思い立ったが吉日って感じに、ちょっと早起きして最寄りの裁判所へ行ってみました。

千葉地方裁判所へ

あたしが行ったのは「千葉地方裁判所」
駅で言うと、「京成線の千葉中央駅」が最寄りになるわね。
その辺りはけっこう繁華街なのだけど、裁判所の周りはやはり厳かな雰囲気だったわ。

敷地内に建物がいくつかあって、どこが入り口なのかいまいち分からない。

建物の周りをぐるぐる回っていたら、外に立っている警備員さんがいたので、総合受付のある入り口を教えてもらいました。

入り口を通ると、まずは荷物検査。
ハサミやカッターなどの刃物、コンパスみたいに凶器になるものは持ち込み不可。
バッグは口を開いて中身を確認、金属探知機?みたいなゲートの下をくぐる。

その後、総合受付に裁判を傍聴したい旨を伝えると、丁寧に説明してくれました。

当日、行われる裁判は受付でファイリングされているらしく、「民事」か「刑事」どちらの裁判を傍聴したいのか聞かれました。
でも、あたしは何でもいいので裁判を傍聴してみたかったので、とりあえず一番早く傍聴できる裁判でOK。

そしたら、今日は8階でほとんどの裁判が行われているらしく、法廷が行われる部屋の前にスケジュールが張り出されているから、自由に出入りしていいとの事。

受付にお礼を言って、早速エレベーターに乗り込み8階へ。

千葉地方裁判所の内部とルール

ちなみに、裁判所の中は写真撮影や録音は禁止。
携帯電話も電源を切ることを推奨されているけど、裁判の傍聴中にバイブが鳴りまくってるおじさんがいたわ・・
あたしはちゃんと電源を切ったわよ!

千葉地方裁判所の内部は、とても綺麗だったよ!
まだ新しい建物なのかな?
それとも建て替えた?
個人的には、トイレが綺麗で助かりました。

ちなみに裁判の傍聴は無料。
服装についても、特にフォーマルにする必要はなく自由でいいみたい。

初めての裁判傍聴

あたしが千葉地方裁判所に到着したのは10時半ぐらい。
最初から傍聴できる裁判は11時開始の窃盗事件のみ。

出入りは自由らしいので、途中で入ってもいいみたいだけど、やっぱり最初から見てみたい。
ということで、少し早めだけど窃盗事件の法廷が行われる部屋へ向かうことにしました。

部屋の前に着くと、「弁護人や検察官の入り口」「傍聴人の入り口」とドアが分けられていたけど、他の傍聴人の方々はなぜか「弁護人や検察官の入り口」から出入りしていたわ。
けっこうアバウトなのかしら・・・

ドアを開け、傍聴席に着く。
法廷には検察官の若い男性と裁判官の中年男性のみ。
傍聴席には傍聴のベテランであろう初老の男性が座っていました。

少しすると弁護士も入室して、その後に被告人が警官2人に付き添われ入ってきたの。

被告人ってテレビと一緒で、手錠を掛けられていて体には紐が巻かれているのね。

いざ、目の当たりにすると、やはり衝撃だったわ。

最後に裁判長が入ってきて、裁判が開始されます。

裁判の始めと終わりは、みんな起立して礼するルールらしい。
知らなかったから、ちょっとびっくりしてもうた。

事件の概要

被告人は昭和60年生まれの男性。
小柄で華奢で、髪も肩ぐらいまで長さがあって、なんか女の人みたい。
声もかなり小さくて、何を言っているか聞き取るのが大変。
同じ年齢の男性が持ち合わせているコミュニケーション能力や社会性は、見るからに無いのが分かる・・

罪状は窃盗。
お正月にショッピングモールでスニーカーを万引きしようとしたけど、様子がおかしい事に気付いていた警備員に監視されていたらしく、支払いをしないでお店を出たところですぐに捕まった。

デザインを気に入った4000円ほどのスニーカーをケースごと、その時に背負っていたリュックに詰めて持ち出そうとしたけど、その過程で一度ケースを落として大きな音を立てたらしい。
警備員はその時に被告人の怪しい動きに気付いたみたいね。

大きな音を立てて、お店中の人から注目されたにも関わらず、万引きを実行した被告人。
どんな思考だったのか検察官に問われていたけど、答えてなかったわね・・
そんな度胸はなさそうに見えるのに、人って見掛けに寄らないわ。

検察官に寄ると、被告人は以前にも窃盗の前科がある。
数年前に同じショッピングモールで、漫画を盗もうとしたらしい。
お店が閉店するまでトイレに潜んで、まとめ売りのセット漫画19冊を盗もうとしたけど逮捕。
その時に執行猶予が3年付いて、今回の窃盗は執行猶予が明けた1年後の出来事。

そして、もう一つ。
被告人は今回万引きしようとしたお店で、一回窃盗に成功している模様。
同じ手法でスニーカーを盗んで、今回は「替えにもう一つ欲しい」と思って、同型のスニーカーを万引きしようとしたんだって。

その時の被告人の所持金は7000円ほど。
スニーカーは4000円ぐらいだから、買える値段だよね?

では、なぜ被告人は万引きしようと思ったのか・・・

被告人の生い立ちや背景

被告人は中学卒業後、引きこもりに。
しばらく無職で過ごしたけど、二十歳の時に配管工として就職。
しかし、その仕事も1年で辞めてしまう。

その後、30歳手前まで無職で過ごしたけど、なんとか製造業の仕事に就職。
実家からは自立し、会社が提供する寮の一室で生活していたらしい。

ちなみに、窃盗で捕まった直近の月収は手取りで3万円ほど。

寮の家賃を差し引かれているとしても、ちょっと少なすぎよね?
てっきり、ブラック企業に搾取されているのかと思ったら違ったの。

被告人は会社に給料の前借りを何度かしていたらしくて、その分が差し引かれていたみたい。
前借りの理由については、家庭の事情があって出費がかさんだらしい。
主に、実父が亡くなったことが原因との事。

さて、その手取りの3万円だけど、光熱費と通信費で2万円は消えてしまったそう。
あたしは一人暮らしの経験がないけど、光熱費って月に1万円ぐらい掛かるものなの?
通信費についても、格安SIMとかに変更すれば大幅にカットできる気もするけど・・

被告人は次の給料日までわずかなお金で生活しなければいけない。

でも、スニーカーの替えが欲しい。
だけど、スニーカーを購入する余裕はない。

そこで、何を思ったのか次に収入があるまで我慢するのではなく、盗んでしまおうと思ったわけ。

被告人の周囲の反応

まず、今回の逮捕で被告人は会社を解雇された。
それと同時に、会社の寮からも退去が決定。
実家には母と姉が住んでいるけど、姉は二度目の逮捕にかなり激怒しており、実家からは勘当されてしまった模様。

現状、被告には帰る家がない。

今後、どうするかを裁判長に問われた被告人は、

「自立支援施設に身を寄せ、国の支援制度を利用して介護ヘルパーの資格を取りたい」

と話していた。

でも、自立支援施設に入るのもヘルパーの資格を取るのも、事前に打診したり調べておく必要がある。

言っちゃ悪いけど・・被告人はかなり無知な印象を受けた。
裁判長は今後の事については、弁護士や市役所に相談することを薦めていたわ。

裁判長、40代半ばの知的な男性で素敵だった・・
検察官の若造は意識高い系の嫌な感じだったけど。
弁護士のおじ様は・・国選弁護人なのかな?
被告人のお家は経済的に困窮してる様子だったし。

って、話が脱線したわ。

覇気も度胸もなさそうに見える被告人なのに、発覚しているところで3回も窃盗をしているのよね。
家族にとっては悩みの種だったのでしょう。
どうして、ここまでこじれてしまったのかしらね。

検察官からの求刑

執行猶予が明けてからたった1年で再犯。
お金がなければ、我慢するのではなく盗んでしまおうという発想。

検察官は被告人に行政施設での再教育が必要とし、

懲役1年6ヶ月

を求刑。

弁護士は何か情状酌量について話していたけど、内容は忘れちゃった。
弁護士って論理的でないことでも、糸口を見つけて被告人の味方をしなきゃいけないのね・・
なんか大変そうな仕事だわ。

ちなみに、判決は1週間後に出るそうです。

再犯だし、さすがに今回は執行猶予は付かないんじゃ・・・
判決は気になるけど、来週も行くのはちょっとヘビーかも。
結果はネットで閲覧したり、裁判所や検察庁でも閲覧できるみたいなので、少ししたら調べてみます。

あたしの所感

始めは「窃盗なんて刺激的じゃないなぁ」なんて不謹慎なことを考えていたけど、いざ裁判を傍聴して事件の概要を知ったら、その闇の深さに相当ダメージを受けました。

なぜ、被告人は罪を犯したのか?

を、被告人の生い立ちや背景から遡って検証していくわけだけど、その作業が法廷という場所で丸裸にされていくような感覚で、なんとも居たたまれない。

今回の事件は「貧困・無知・格差」みたいな、なるべく見ないようにしている現代の暗部が原因になっていると思うので、余計に苦しかったわ。

あと、「就職面接の緊張感」とか「仕事の同期がどうしようもないミスをして怒られている時の気まずさ」辺りの空気感にも似ていて、どっと疲れた・・

考えてみれば「罪を犯す人」の気持ちなんて理解できるわけないのよね。
理解できなくて正解なんだもの。
だからこそ、全く未知の世界を知って、脳も心も疲れたのかも。

ただ、知らない事を知るというのは、とても刺激的で・・正直、下手な映画を観るよりも全然面白いと感じてしまった。

あと、裁判官・警察官・検察官・弁護士など、法廷の中で会える男子・・・

素敵!!

あたし、法廷男子にイケメンを探して、その人目当てで裁判所に通っちゃうかも(不謹慎だけどね)

というわけで、裁判傍聴はあたしの新しい趣味になりそうです。

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