ブスの自尊心について考える「ピアノピラニア」※ネタバレ注意!

ふきげんYO!

今日はあたしが大好きな志村志保子先生の短編作品をご紹介。

もう何回も読み返している「女の子の食卓」のコミックス5巻に収録されているんだけど、これもかなりの秀作。

お話しのあらすじはね・・

主人公は女子高校生。

お世辞にもかわいいと言えない顔に、背が高くて骨ばった体。

そのせいで、子供の頃から男子には容姿についてからかわれていた。

昔、仲の良い男子のクライメイトがいて、ほのかな恋心を抱いていたけど、彼が自分のことを拒否する発言を偶然聞いてしまい、それから恋には消極的に。

今も同級生に片思いをしているけれど、その子には彼女もいるし告白するつもりはない。

そんな主人公のお隣には一人暮らしの青年がいてね、そのお家にはピアノがあるの。

小さい頃はよくピアノ目当てに遊びに行ったけど、彼は進学をきっかけに一旦家を離れたため疎遠に。

でも、地元での就職を機にまた戻ってきたわけね。

久しぶりに再会した彼は、男子に相手にされない主人公に向かって

「女の子らしくなってかわいい」

みたいなことを言うんだけど、素直に受け入れられないわけ。

しかも、交際まで申し込んでくる。

まんざらでもない主人公だけど、好きな人がいるので交際の申し込みは断ることに。

思いがけず「女扱い」されたことに、女の子としての自尊心を取り戻した主人公。

片思いの彼が付き合っていた彼女と別れたことを知り、勇気を出して告白することにしたのね。

彼は先生と部活の備品を買い出しに行っていて、残念なことに学校にはいなかった。

でも、どうしても告白をしたくて、心当たりのある場所で待つことにしたの。

果たして、意中の彼には会えたのだけど、部活の顧問の先生と一緒だった。

主人公に気付いた先生は、そこが不審者が出没する人気のない場所だから、気を付けるように注意するのね。

でも、その後に

「まあ、おまえなら大丈夫か」

と、暗に主人公の容姿を嘲笑するようなことを言うのね。

主人公も釣られて笑ってはみるのだけど、心の中で願うの。

「好きな彼には笑わないでほしい」

って。

だけど、願いも空しく彼も笑ってしまう。

再び、自尊心を打ち砕かれた主人公は、彼には告白せずに帰ることに。

暗い道をとぼとぼ歩く中、仕事帰りの隣の青年が車で通りかかる。

自尊心を粉々にされたところに、青年はまたも主人公を女として扱う。

「暗い夜道を女の子が一人で歩いていたら危ないよ」と。

さっきとは真逆の対応をされた主人公。

ここで、彼女は青年に「交際の話はまだ有効なのか」を切り出す。

何かを察した青年は彼女を受け入れる。

そして、主人公は深夜に家を抜け出し、青年の家を訪れることに。

主人公はそこで初めてセックスをするわけだけど、そこでとても印象的な台詞があるの。

確か、こんなニュアンス。

「誰かに私という人間に発情してもらいたかった」

そう、主人公にとって青年は、本当に好きな相手ではなかった。

だけど、今までの人生で唯一自分を女性として扱ってくれて、ボロボロにされた心を修復してくれる相手だったのよ。

物語は一応のハッピーエンドで終わるのだけど、なんか考えちゃわない?

ブスなことに関しては「me too」って感じだし、男から様々な「精神的虐待」を受けてきたあたしは、主人公が他人に思えない。

酷い仕打ちを受ける度に「自分磨き」をして自信を付けて、男たちを見返す。

↑こんなことばっか考えてきたけど、失った自尊心を取り戻すために、本当に必要なのは・・・

って話だけど、あたしにはこの話の主人公みたいに若さも柔らかい心もないわね。

「ちょいブス」「ブサかわ」に収まらない「がっつりブス」がどんな心理なのか、興味がある人は是非読んでみてね。

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