自己肯定感の低い自分。理由を探す心の旅・後編

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みんなと違うことで、学生時代はほとんどいじめを受けてきたあたし。
家族からも理解されず、「自分」であることを否定される日々。

その結果、自己肯定感が低いまま、大人になってしまった。次からは、社会に出てからのエピソードです。

初めてのアルバイト

高校在学中に進路について、しっかり取り組まなかったあたしは、高校卒業後にフリーターになった。
ちなみに、あたしは「氷河期世代」ど真ん中で、世間は就職難だった。
今、話題になっている非正規雇用も、この頃から増え始めた気がする。

あたしが人生で初めて働く事になったのは、近所の薬局で時給750円。
有名な大手チェーン店ではない、個人経営のお店。
社会は学校とは全然違う世界だった。

一緒に働く人たちは年上の人ばかりで、みんな親切にしてくれたし、周りの人と違っても、それを咎められたり、いじめられたりすることもない。

学校から解放されて、やっと暗い世界から抜け出せた。
学生時代は勉強が苦手だったけど、仕事を覚える事は苦にならなかった。
頑張れば頑張るほど、認められるし成果も出る。

あたしは働くことで、初めて成功体験をしたのだと思う。

転職を繰り返す

社会に出てから、自信を持てるようになったあたし。
今度はアルバイトじゃなくて、正社員で働きたいと思うようになった。
だから、就職活動を頑張ってみたのだけど、時代は就職難で、新卒ですら就職できない子がたくさんいた。

そんな中で、高卒で職歴はアルバイトの経験しかないあたしを採用してくれる会社はなかった。
それに、その頃からPCが普及し始めて、WordやExcelが使えてブラインドタッチぐらいできないと、オフィス系の仕事は絶対にできなかった。

いろいろなアルバイトをしながらパソコンスクールに通って、スキルを身に着けたけど、次に問われるのは「実務経験」。
あの頃は圧迫面接が流行っていたから、「あなたみたいな人が溢れている」って、こっ酷くやられたこともあった。

あたしの努力が足りなかったのかも知れない。
だけど、新卒で就職しなかった自分には、希望がないように思えた。

「レールを外れたおまえはもうダメだ」って、社会に言われているような気がした。

結局、ここでも自己肯定感を得られない。

そして、あたしは非正規雇用でいろいろな仕事を転々とすることになった。

ピークと後退

雇用形態はどうであれ、あたしは真面目に働いていた。
やっぱり、働くなら「あなたがいると助かる」と言われる人材になりたい。

20代の半ばぐらいに、あるベンチャー企業でアルバイトを始めて、その仕事はすごく自分の性に合っていた。
仕事が楽しくて、頑張っていたらアルバイトリーダーになれて、始めより時給も400円上がった。

アルバイト3年目になった時、社員さんから「契約社員にならないか」と誘いがあった。
実績を上げれば正社員にもなれるという。もうすぐ30歳になるし、このチャンスを逃す手はない。

仕事も楽しいし、やり遂げる自信があった。あたしはその話を受けることにした。

でも、契約社員になったら、あたしは仕事に着いていけなくなった。
与えられた仕事を素早くこなす事は得意だったけど、自分から何かを発案したり、マネジメントしたりするスキルは、さっぱりだった。

同じタイミングで契約社員になったアルバイトが何人かいたけど、どんどん差をつけられてしまう。

あたしは、プレイヤーとしては優秀だったけど、マネジャーとしては無能だった。
焦れば焦るほどミスを連発するようになって、次第に上司からも同僚からも信頼を失った。
仕事は、誰がやっても同じような雑用しか回されず、自分は

「この会社にいてもいなくてもいい存在」

と、思うようになった。

自分の無能さに勉強し直したいと思った。
同僚からアドバイスを受けて、通信制の大学に入学することを検討した。
だけど、通信制でも三分の一ぐらいは、学校で授業を受けて単位を取らなくてはいけない。
今の会社は残業も多いし、年中無休の会社だったので、学業との両立は難しい。

それを理由に、逃げるように会社を辞めてしまった。
ミスの連発でボロボロになっていたけど、最後は希望いっぱいのふりをして、会社を去った。

もう少しで掴めそうだったのに、ダメだった。

喪失感の中で生きる

1年前は希望や自信に溢れていたのに、短い間にいろいろな出来事があって、あたしは全然違う場所にいた。
平日9時~17時の派遣社員になって、家に帰ったら勉強、休日は単位を取るために大学の授業に参加する。
努力はしているけど、本当は周りの目を気にしてそうしているだけ。

「勉強し直したい」という気持ちは本当だったけど、前の会社から逃げる口実にしてしまったので、後ろめたい気持ちがあった。チャンスを物にできない自分自身に失望していて、しばらくは落ち込んだまま過ごしていた。

ただ、どんなに沈んでいても、月日が経てば傷は癒えていくもので、大学を卒業する頃には、だいぶ落ち着いていた。
ちょうど、その頃に派遣法が改正されて、同じ会社では決まった年数しか働けない事になった。

「このままではいけない」と思い、それをきっかけに転職することにした。最後のチャレンジだ。

必死で転職活動した甲斐があって採用を勝ち取ったけど、うつ病になってその会社を辞めてしまった。(その件は別の記事にまとめてあります)

そして、現在

自分では頑張っているつもりなのに、うまくいかない。
ずっと「どうして」と考え続けて、いろんなことを調べた。
そこでたどり着いたのが、あたしは自己肯定感が低いということ。

学校や会社で何か問題が起きても、あたしはいつも一人で抱え込んで、誰にも頼っていない。

「自分がいけないんだ」「自分が何か足りていないんだ」「自分が我慢すればいいんだ」

あたしの考え方はこんな感じで、いつも「自分は正しくない」と判定している。
問題の原因は自分で、悪いのも自分。

雇用形態がどうであれ、真面目に働いていれば周りの人は認めてくれた。
でも、いつも「今の自分は足りていない」と思っている。
契約社員になって失敗した時も、

「君はこの会社に必要ない」

と、誰にも言われていないのに、自分では深くそう思っていた。

自分の考え方や行動一つで、何か変わっていたかも知れないのに、いつも自分を認められない。
そこで、自分が自己肯定感の低い人間だと気が付いた。

どうしたら、問題は解決できたのか?

こうして、自己肯定感が低い理由を振り返ってみて、やはり子供の頃の経験が大きいのだと思う。
原因は遠い過去にあって、問題を解決せずに進んだ結果、あたしは失敗を繰り返している。
どんな自分でも受け入れて、どうしてもダメな時は降参して、他人に心を開けば良かったのではないか。

いつまでも自分を許すことができず、後悔ばかりして前を向けない。
でも、今まで起こった全ての出来事は、本当にいつも自分だけが悪かったの?

自分の気持ちをいつも押し殺していたけど、笑われても馬鹿にされても、ちゃんと感情を吐き出せば良かった。

ちゃんと主張することが、自分を認めることなのではないかと、最近では思っている。

あなたに伝えたい事

結局、あたしはまだ自己肯定感を持てていないの。
これから、作り上げていかなければならない。
でも、同じように悩んでいる人がいたら、この失敗の繰り返しを反面教師にしてほしい。

気付くのは早ければ早いほどいいと思う。

そして、もしもあなたが誰かに否定的な言葉を浴びせているなら、それはとても罪な事だと気付いてほしい。
相手が自分の子供であれ、友達であれ、クラスメイトであれ、多様性を認めてあげてほしい。

あたしのささやかな祈りです。

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