うつが治るまで~うつ病経験者の語る体験談・前編~

Anemone123 / Pixabay

電通の新入社員や札幌の新人看護師が、過労で自殺したニュースが話題になっているわね。
過酷な労働環境の中で、二人ともうつ病を発症していた事が報道されています。
実は、あたし自身も新入社員の時に、うつ病になって退職した経験があるの。

今日はその体験について話そうと思います。

あたしがうつ病になるまで

まずはどういう経緯があって、あたしがうつ病になったのかをお話します。
少し長いけど、興味があったら読んでみてね。

30代半ばの転職活動

新入社員といっても、あたしの場合は中途新入社員なので、前述した彼女たちとは、少し状況が違うかも知れない。
あたしはずっと、非正規雇用で働いていたのだけど、30代も半ばを意識する年齢になって

「このままではいけない」

と思い、正社員になることを目標に、転職活動を始めたの。

よくいろいろな転職サイトで言われているけど、

「歳を取れば取るほど、書類選考が通らなくなる」

というのは本当で、10社に応募して1社通ればいい方。Webで書類選考を応募してから、2時間ぐらいで「お祈りメール」が来た時は、本当に選考しているのか、ちょっと怪しんだわね・・

書類選考に通って、一次・二次と面接に進めても、それで不採用なら振り出しに戻る。
明らかにこちらを馬鹿にした態度の面接官もいたし、とても丁寧な人もいたわね。

大した職歴やスキルもないし、なかなか厳しい転職活動だったけど、3ヶ月目にして採用をもらうことができたの。

採用してくれた会社は・・

あたしが採用された会社は広告関係の下請けだった。
業務拡大のため、社員を増やす方針になったらしく、業種・職種未経験者でも積極的に採用していたの。

タイミングが良かったのね。

仕事が決まるまで、もっと長期戦になると思っていたから、意外と早く決まって、あたしは希望でいっぱいだった。

面接の時の人事担当の社員は感じが良くて、新人研修を担当してくれた先輩たちも、親切な人ばかりだった。

研修で習った事は帰宅してからノートにまとめ直して、あたしも努力を欠かさなかった。
この調子でやっていけると思っていたの。

でも、思わぬ所に落とし穴があった。

あたしが出会った最悪な上司

その会社はいくつか支店があり、研修が終わった時点で配属が決まるの。
研修が行われた支店に残る場合もあるし、別の支店に配属される場合もある。

あたしは、別の支店に配属されることになった。
配属先の支店は通勤にも便利だったし、その時のあたしは自分のことを運が良いと思っていた。

でも、その支店には、別の支店でも有名なパワハラ上司がいたの。

会社を立ち上げた時から在籍している人で、過去には指導の仕方に問題があることで、裁判沙汰になった前科があったみたい。
それでもクビにならないなんて、会社の創業者とズブズブの関係なのかしらね?

人格まで否定する、上司からの罵倒

研修はもう終わったと思っていたのに、異動した初日からパワハラ上司の研修が始まったの。
どうやら、パワハラ上司と別の支店の仕事のやり方は違うらしく、あたしが学んできた事は異動先の支店で、ほとんど役に立たない様子だった。

改めて考えてみれば、支店間で研修や仕事の方法が統一されていない時点で、あまり良くない会社な気がするわね。

パワハラ上司の研修で、あちらの支店で習った事を実行すると、パワハラ上司から注意どころか罵倒されるの。

「なんでこんな事が分からないんだ」

「お前は本当にふざけた奴だな」

「お前は、どうしようない馬鹿だ」

「何も喋るな!お前の声はノイズだ」

「お前なんていらない。遅刻や欠勤の連絡もいらない」

「お前なんて雇っていても、会社の不利益にしかならない」

あの頃、自分がどんなミスをしたのか、今では憶えていないのだけれど、些細な事でも罵倒されていたわ。
希望でいっぱいだったのに、あたしの心はパワハラ上司の言葉に、どんどん蝕まれていった。

追い討ちをかける、優秀な同期の存在

あたしは1人で異動したわけではないの。
他にも何人か新人がいて、一緒にパワハラ上司の研修を受けていた。
その中に1人、優秀な同期がいたの。ちなみに男性ね。

パワハラ上司も嫌だったけど、あたしはその優秀な同期も苦手だった。
彼は悪い人ではなかったのだけど、少しデリカシーがなかった。

思った事をすぐに口に出しちゃう人っているでしょ?
言っていい事と悪い事が分からないみたいで、よく考えてから話すタイプのあたしには、到底理解できない人種だったの。

パワハラ上司とは、いつもその優秀な同期と比較されたわ。
そして、同期からは追い討ちをかけるように、自分のダメな所を指摘されてボロボロだった。

たくさん考えても、ノートをまとめて必死に復習しても、同期には勝てなかった。
パワハラ上司からは、仕事だけでなく人格まで否定される。
どんなに日々が辛くても、また転職するなんてとんでもない。

履歴書に短い職歴ができてしまうし、年齢的にも厳しいのに、もっと不利な状況になる。
その時はまだ、あたしは喰らい付いていく覚悟でいたの。

うつ病のトリガーになった出来事

パワハラ上司の研修がやっと終わる事になった。
研修が終わった後は、新人は各チームに配属されることになる。
パワハラ上司と接する機会は、今までよりもだいぶ減るし、苦手な同期とも離れられる。

「我慢した甲斐があった、やっと少しマシになる・・・」

そう思っていたけど、まだ終わらなかった。
あたしの配属先は、優秀な同期と一緒のチームだった。
他の新人の子たちは、みんなバラけたのに、あたしたちだけ一緒のチームだった。

心強くもないし、全然嬉しくない。

あたしは、新しい場所でも同期と比較されて、馬鹿にされ続ける・・・

その夜、あたしは1人で歩く帰り道で、入社してから初めて泣いた。
どうしようもなく、涙がこみ上げてきて、もう止まらなかった。

そこから、あたしは自分の心が崩れていくのを感じた。
それが、うつ病との闘いの始まりだった。

うつが治るまで・中編へのリンク

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