図書館で予約していた話題の本『ルビンの壺が割れた』の順番が回ってきたよん♪
作者は『宿野かほる』という方らしいんだけど、覆面作家なんだそうです。
性別や年齢含め、素性は一切明かしていないとの事。
なんか素敵ね。
映画『君の名は。』同様、ネットでは賛否両論みたいだけど、感じ方は人それぞれだからそれは仕方ないよね。
『君の名は。』の場合は、期待が大きくなり過ぎてしまって、あまりピンと来なかったのかも知れないけど。
あ・・
『君の名は。』をお正月に観て、あたしが不感症なんじゃないかって思ったって記事はこっちのリンクね。
さて、「ルビンの壺が割れた」に話を戻すわ。
あたしは・・・結末にびっくりした。
でも、腑に落ちた。
この小説に関してはネタバレは厳禁だと思うので、なるべく本編に触れないようにして感想を書くわね。
まず、『ルビンの壺』ってなに?
表紙を見たら分かると思うけど、「ルビンの壺」って壺にも見えるし、向き合っている二人の人物にも見える絵のことね。
こういうのって・・・「だまし絵」って言うのかしら・・?
違う?
どうなの?
ルビンの壺が割れちゃうと、どうなっちゃうんだろうね?
2人の人物は成立しなくなるけど・・
果たして、本編とタイトルはどう絡むのかな?
『ルビンの壺が割れた』のほんの触り
お話は50代半ばに差し掛かった男・水谷一馬がFacebookにて昔の恋人・未帆子にメッセージを送る事から始まる。
登場人物は水谷一馬と未帆子のみ。
Facebookのメッセージ機能(あのチャットみたいなやつだよね?)を使って、二人の往復書簡が続く・・
居心地の悪さと薄気味悪さ
あたしは昔、SNSを運営している会社で働いていて、サイト内で行われるメールのやりとりをチェックする仕事をしていたの。
日常的に、他人のメールを覗き見していました。
だって、仕事だもん。
援助交際とかね、未然に防止しなきゃいけないし。
『ルビンの壺が割れた』を読んでいて、あの頃の生々しい記憶が蘇ってきたわ(笑)
熟年さんって、けっこうディープなやり取りをするのよね
今の若い子と違って、長文でメールが書けるし語彙力もあるしさ。
なんとも言えず、恥ずかしい気分にさせられるのよね。
居心地が悪い感じ。
物語は50代の男女が、過去の出来事についていろいろと回想していくんだけど、よく読んでいると結末に繋がるヒントが隠されているの。
読み終わってから『あっ!そう言えば、何か違和感がある発言をしていた』って思い出して、腑に落ちるのね。
読んでいても面白くない、おじさんとおばさんの退屈な思い出話なんだけど、水谷一馬の粘着質な感じが伝わってきて、実に薄気味悪い。
だから、どんな結末が待っているのか気になって、読み進めちゃうのよね。
ページ数も少ないし、リタイアするほどでもない。
独りよがりでしつこい男に出会った時のゾワゾワ感
最近は下火な気がするFacebook。
インスタとかTwitterよりも手軽じゃないもんね。
あと、なんか日本語が不思議。
システムも意外とシンプルじゃない気がする。
一時期はFacebookがきっかけで同窓会をして、不倫カップルが誕生したりもしてたのにね。
最近、聞かない。
話を戻して・・
そもそもさ、仲が良かった同性の友達からならまだしも、SNSで昔の男からコンタクトがあったらゾッとすると思わない?
あたしだったら、過去の男のことなんて綺麗さっぱり忘れて、全然好きじゃないわ。
未練なんて少しもない。
せいぜい、男どものイケてなかったエピソードをデフォルメして、女子会で晒して笑い者にするぐらい。
まったく興味がなくなった途端、フィルターが外れて冷静に観察もできるし、如何に元カレがダメだったかも分かるのよね。
そんなどうでもいい相手から突然連絡が来て、しかもメッセージの内容が薄ら気持ち悪くて・・もう、軽くホラーよね。
そういう男って、空気が読めなくて独りよがりだから、何を言っても分かってくれなさそうだし。
プライベートだったらね、こんなゾワゾワする相手は速攻でシャットアウトよ。
電話・LINE・SNS・メール・・ありとあらゆる面でブロックよね!
ただ、怖いもの見たさでやり取りを続けてみたい気もある。
下手したら殺されそうだけど。
『ルビンの壺が割れた』は、そこら辺の部分を満たしてくれる小説だと思うわ。
賛否両論ですが・・
プライベートなメッセージのやり取りを覗き見している感は、とてもよくできていました。
あの、赤裸々でなんか恥ずかしい感じね。
どことなく、怖いもの見たさで開いてしまったエログロ画像のような感じも。
ページ数も少ないし、興味がある方はおすすめです。