「彼女は頭が悪いから」読了。情報リテラシーの大切さについて考えた

ふきげんよう。

先週、去年から図書館でずっと予約待ちしていた、姫野カオルコさん著

「彼女は頭が悪いから」

が、やっとあたしの手元に!

2015年に現役東大生が起こした強制わいせつ事件をモチーフにしたこの本。

ずっと気になっていたのよね。

このタイトル、なんでも事件の犯人が裁判で動機を聞かれた時に答えたんだそうな。。。

被害者の女子大生は、ごく普通の「善き家庭」で育った、素朴な女の子。

加害者の東大生は、エリート一家で育った選民意識の強い男の子。

その選民意識ですら、自然と刷り込まれていて、きっと自覚はないんだよね。

物語は二人が中学生の時代から展開されて、どんな少年少女だったか、どのような家族や友達に囲まれて、人格が形成されていったかを丁寧に辿る。

二人はニアミスしているけれど、物語の中盤まではなかなか出会わず、でもその間も悲劇への伏線が少しずつ張られていく。

読み始めはちょっとじれったい感じがしたけど、読み進めていくうちにどんどん物語に惹き込まれていったわ。

これはあくまでもフィクションなのだけど、事件を取り巻く世間の反応についても忠実に再現されていて、事件発覚後の被害者に対する仕打ちには、胸が痛くなったわよ。

表面だけをすくい取って、デフォルメして、ヒステリックに石を投げつけるあの感じ。

昨今の炎上騒動なんて一過性だけれど、ターゲットにされたら人生をボロボロにされてしまう。

身も心もボロボロにされた被害者に対し、加害者の東大生5人は飄々としたもので、罪の意識をまるで感じられないのよ。

「理不尽」とか「不条理」とかって言葉が胸に残る。

最後に感じたのは、情報が溢れている時代だからこそ、高いリテラシー能力が必要だということ。

ついつい、センセーショナルなキーワードに反応しちゃうけど、その裏にある情報も読めないといけないんだよね。

あたしも気を付けて生きないといけないわ。

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