収入的な問題で、そろそろ新しい仕事を始めたいあたし。
毎月、ほとんど赤字だしね。
節約生活は心がけているけど、年金とか国民健康保険の支払いって、けっこう痛いわ。
お勤め時代の貯金が、少しずつ削られていく日々。
まあ、実家暮らしだからね、家賃が掛からないのはほんとありがたいわよ。
二年前の今頃に会社で受けていたパワハラのせいで、組織で働く事にはすっかり懐疑的になってしまった。
就活は、もっとも向き合いたくない問題だったのよね。
でも、フリーランスで安定収入を得ていけるような能力もない。
現実や心の壁
そうなると、今度は如何に社会と折り合いをつけて働くかが課題になる。
やっぱ、どこかに所属した方が、安定収入を期待できるしさ。
ただね、求人情報を眺めれば眺めるほど、どんどん白けた気持ちになっていくのよ。
別に、やりたい仕事なんてないのよね。
もうさ、これはずーーーーっと変わらない。
正直さ、今までだって「お給料が高いからやってみたい」とか「都会やおしゃれな場所で働いてみたい」ぐらいしか思わなくて、後付けで志望動機を無理やり考えていただけ。
ていうか、みんなそんなもんじゃないの?
「ちょっと面白そうだな」って思ったとか。
就活マニュアルに載っているような、白々しい志望動機とか自己PRとか、いつも読む度に何か寒気がしていた。
まあ、あたしは新卒で就活したこともないし、ずっと非正規雇用の経験しかないから、同世代のちゃんとしている人たちとはだいぶ意識が違うんだろうけど。
あえて、劣っているとは思わないわ。
別にひがんでないし。
「可視化されているマイノリティ」と「隠れマイノリティ」
そもそも、あたしはトランスジェンダーに生まれてきた時点で、ずっとマイノリティだったから、マジョリティの規格に入れないのよ。
入りたいと思えないの。
だって、友達もすごい少なかったし。
「集団の中に属する事」ってさ、学校で学習すると思うのね。
でもさ、あたしは今で言う『スクールカースト』の中では最下層だったから、基本的にいつも1人だったの。
肥満で不細工だったし、勉強も運動もできないし、特技もない。
あるのはコンプレックスだけ。
なのに「しぐさやしゃべり方が女っぽい」から悪目立ちしちゃって、いじめの対象にされる事はしょっちゅうだったわ。
「勉強」に関しては、しっかりやれば中の上ぐらいの成績を取れたこともあったけど、学園生活が楽しくないと、毎日が苦痛でそれどころじゃないのよ。
高校を卒業して何も考えずにフリーターになったのは、とにかくもう『学校』が嫌だったから。
登下校、休み時間、お弁当、移動教室、体育の時間の二人組、文化祭や体育祭、林間学校に修学旅行
どの時間もクラスメイトは楽しそうだったけど、あたしには苦痛でしかなかった。
こんな感じに、あたしみたいに、
・セクシャルマイノリティ
・スクールカーストのヒエラルキーで最下層のいじめられっ子(そしてブス)
この二つの要素を両方とも持ち合わせているなんて、なかなか稀有な存在な気もするけど、あたしのマイノリティ具合って目に見えているわよね。
『可視化されている』と思うの。
それとは逆に可視化されていない『隠れマイノリティ』もいるでしょ?
集団の中に属することはできているけど、みんなと違うことに人知れず悩みを抱えているような・・
まあ、そんな子は常識とかルールをマジョリティ規格で学習しているから、あたしみたいに極端に道を外れちゃうことはないと思うの。
たまに、テレビとかでいきなり振り切れちゃうトランスジェンダーの人とか見るけど、あの手の人はマジョリティ規格の中で無理していたんだろうね。
同じ少数派に属していても、背景はその人毎に違うって話をするために、あたしのどんよりした子供時代の話を交えて説明してみました。
大人になった今、子供時代の経験は影響するのか?
もう40も近くなってきたけど、それでも子供の頃に体験してきたことは、無意識のうちに影響を与えていると思う。
大多数の人たちとは道を逸れてしまったこと、そのまま軌道修正できずにずいぶん違う場所に来てしまったこと、これはあの頃から始まっていた。
現にあたしは、社会の中に属してもしっくりくることもないし、納得することもない。
どんな会社に勤めても、どんな組織の中でも、無理解や偏見からくる「居心地の悪さ」を感じて、誤魔化しようのない違和感の末、結局その場所を去ってしまう。
ねえ、普通の人たちって、社会の中で違和感があったりしないの?
もしも、
あたしが心も体も男だったら
あたりが心も体も女だったら
こんなことは考えなかったのかしら?
それとも、あたしが普通の容姿で、勉強や運動もそれなりにできて、楽しい学校生活を送っていて、集団の中にいるのが当たり前のことだったら、もう少し我慢できたの?
ここは、今回この記事に挙げた境遇の人たちを集めて、ディスカッションしてみたいわ!
Eテレの番組みたいに。
あたしには気持ちを分かち合える仲間がいるのかしら?
それとも、あたし個人がこじらせているだけなのかしら?