ふきげんよう。
2020年の11月、渋谷にあるバス停でホームレスの女性が殺害された事件を覚えているかしら?
その女性は高齢で、後に判明した情報からは
「試食販売員の仕事に就いていたけど、新型コロナウィルスの流行に伴い、仕事を失ってしまった」
「家賃を払えなくなり、スーツケースに荷物を詰めてホームレスになった」
こんな事実が分かったの。
そして、女性が生活保護を受給するために行政に問い合わせた記録もなく、家族に自分の苦境を報せず、ただ一人で生きようとしていたのだということも分かった。
生活保護については制度を知らなかったわけではなく、扶養照会なんかで家族に迷惑をかけてしまうのに抵抗があったのかもしれないよね。
彼女の足取りを追うドキュメンタリー番組を観たとき、その儚い最期に涙が零れる思いだったわ。
きっと、
「他人に迷惑をかけない」
「自分の力でなんとかしよう」
と、不安の中で踏ん張っていたのだろう。
でも、こうやって自分の中だけで問題を完結させてしまうことで、思いもよらぬ悲劇に巻き込まれてしまった。
「なぜ、頼ってくれなかったのか?」
なにか起きた後にはいくらでも言えるけど、「頼る事」が選択肢にない人もいる。
こんな風に責任感が強い人は、「なんとかなる」と抽象的に問題を終わらせずに、
「なぜ、頼れないのか」
「頼らなかった末に、自分はどうなってしまうのか。周りの人々にどんな影響を与えるのか」
を具体的に考えてみるのもいいんじゃないかしら?
きっと、あなたは1人ぼっちじゃないはずだし、誰かに大切に思われているはず。
大切な人に頼られることを、迷惑と思う人なんていないから。