SNSで少女たちが事件に巻き込まれていく時の流れ

nvtrlab / Pixabay

最近、森友学園問題だのTPPだので、すっかり忘れられているけれど、去年は神奈川県の座間で恐ろしい事件が起きたわよね。
1人の男が、SNSで知り合った女性中心に9人も殺害した、あの衝撃的な事件。

未成年の女の子が被害者の中に何人もいて、あんな人生の終わり方をしてしまうなんて、あまりにも不憫。

「自殺願望」を元にSNS上で、普段なら出会うはずのない相手と出会ってしまい、それが地獄に引きずり込まれるような出会いだった。

どんなにネット上で規制を施しても、すり抜ける手段がすぐに見つかって、それが拡散されてしまう。
大人は子供を守るものだけど、全員がその意識を持っているわけではなくて、あの事件のように悪意ある大人もいる。

あたしもSNSを運営する会社で働いていた経験があって、成人と未成年の間で起きるトラブルは、いくら規制しても絶えなかったの。
主に、成人男性と未成年の少女たちね。

今日は、あの時に体験したことをお話しようと思うわ。

SNSで出会い系利用が成立する理由

最近のSNSは簡略化が進んで、LINEやTwitterみたいに手軽なものが主流よね。

2010年以前に流行ったSNSってさ、mixiみたいにプロフィールページがトップにあって、その他に日記なり、コミュニティなり、伝言板なり、いろんなコンテンツが付いてる奴だったじゃない?

結局、始めだけ熱心に更新して、そのうち飽きちゃうから、余分なものを省いたLINEやTwitterが今人気なんだろうけど。

あたしが働いていた会社も、こういう日記とか伝言板とかが付いているSNSを運営していて、サイト内でやり取りできる「メール」も機能で付いていたの。

このメール機能というのがさ、出会い系利用の温床になるのよ。

SNSって基本的には出会い系利用を禁止しているサイトが多いのよね。
利用規約で禁止しているから、そういう利用者を見つけた場合はペナルティを課すのが仕事なんだけど、それを助けてくれるのがユーザーからの「通報」なの。

ただね、双方同意の上で出会い系利用をしていると、誰も通報しないから発見できないのよね。
場合によっては、二人の間でトラブルが発生して、腹いせに通報してくるなんてこともあるの。

そんな場合は、通報してきた方もペナルティだけどさ(苦笑)
通報してきたあんたも、出会い系利用したんだからね。

SNSを出会い系利用する男の傾向

PCのモニターを通して、一日に何人もクズみたいな男たちと見ていると、だんだんと傾向が分かってくるのね。

プロフィールに出会い目的っぽい事を書いていたり、女の子のユーザーばかりに足跡やメッセージを残していたりして、そういうユーザーのメールボックスを覗くと、直アドや電話番号を求めるメールを無差別に送っているの。

そんな奴は即アカウント停止。

通報だけでは全てを対応できないから、出会い系利用するユーザーの特徴をつかんで、パトロールなんかもするの。
あたしのクズ男に対する臭覚はなかなかなので、この作業は得意だったわ。

「悪意ある男」と「無知な少女」の出会い

通報やパトロールを頑張っても、やはり取り逃しはあるのよね。
リアルで出会ってトラブルに発展する場合もある。
それが成人同士ならば、本人たちの責任だから勝手にすればいいのだけど、問題なのは

成人と未成年のトラブル

18歳未満の女の子が、ロリコン趣味の気持ち悪い男にうまい具合に騙されて、性犯罪の被害者になってしまうの。

しばらくはSNS上のメールでやり取りして、楽しく会話をしているだけ。
男が少女の悩みを聞いてあげたりしてね。

関係がある程度、親密になってくると、ロリコン男は少女を『かわいい、かわいい』って褒めまくるの。
男の下心なんてまだ知らない女の子たちは、大人の男の話術にいい気分になってしまう。

そのうち、男から

『俺、〇〇ちゃんと話してると楽しいよ。今度、リアルで会ってみない?』

なんて、持ち掛けてくる。

少女たちがどんな気持ちなのか、あたしはオカマのクソババアだから分からないけど、あの年頃って大人の世界に憧れがあるわよね。
年上の知り合いがいる方が、同級生よりも一つ上になれる気がして、背伸びしたい年頃。

それに、異性をはっきりと意識する年齢になってから、『かわいい』って自分の性的な価値を認めてもらえるのって、やっぱり嬉しいと思うの。
『女は男から選ばれた方が上』って価値観、世界中の女に遍く解けない呪いよね。

まあ、あたしの想像になっちゃうけど。

そこそこの信頼関係もできているし、少女は男から誘われるとほいほい出て行っちゃうの。

そうそう、その前にはもちろん、画像の交換なんかもしているわ。

SNSのコンテンツの中に『アルバム』があってさ、そこにパスワードを掛けて自分の写真をアップするのね。
ちなみに、あたしも写真をチェックしてたけど、男の方が意外とイケてたりするのよ。

見るからに気持ち悪いブサメンだったら、女の子たちもメールの時点でブチると思うけど、やっぱ容姿の良し悪しのパワーは重要だわ・・

リアルに会うことを決めた二人は、直メを交換するなり、SNSのメールでやり取りするなりして、待ち合わせするの。

そこまでのやり取りは追えても、リアルで会っている時の様子はさすがに分からないんだけどね。

少女が傷つけられたことで、事件が発覚する

さて、前の項はね、『調査した結果』のお話なの。
気付いていたら、さっさとアカウントを停止するし。

なんで調査する流れになるのかって言ったら、警察から会社の法務部を通して、メール情報を開示するように請求が来るからなのね。

同意の上でリアルに会った二人の間に、トラブルが発生する。

そのトラブルと言うのが、

成人と未成年の性交渉

これは・・・強制わいせつ罪になるのかしら・・?
ちょっと、そこら辺はよく分からないけど、成人が18歳未満と分かっている相手と性交渉に及ぶのって犯罪よね。

そう、あのロリコンクズ男たちの目的は、結局はそれなのよ。

少女たちをうまい具合に口車に乗せて、自分の性欲を果たす。

気持ち悪い

リアルに会った後も、SNS上でメールをやり取りしている場合はチェックできるんだけど、大体が男の方から音信不通になっているの。

意外とね、女の子は始めの方は被害者意識がないみたい。
何か特別な経験をした気がして、悪い言い方をすると『彼女面』して相手の男に連絡するの。

それなのに、目的を果たした男からは返事が来ない。
そして、自分が犯した罪を隠蔽するためなのか、少女をブロックまでして拒否する。

そこで少女は、自分が利用された挙句に傷つけられたことに気付くのね。

通報するまでの運びは分からないけど、やっぱ両親と一緒に警察に行くのよね、きっと。

悪い男たちは、心の隙間につけ込んでくる

また、神奈川県座間で起きた事件の話に戻るけど、被害者たちは『死にたい』って気持ちにつけ込まれてしまったのよね。
本気ではなかったにせよ、それは孤独感や焦燥感や、身近な人には話せない自分の中の暗部だったのでしょう。

それに少し似ているんだけど、SNSを介して性犯罪の被害に遭った少女たちはね、あるキーワードをプロフィールに書いていることが多かったの。

それは・・

寂しい

あたしはクソババアになってから、めっきり寂しさを感じなくなったのだけど、むしろ放って置いてほしいのだけど・・
でもね、この寄る辺ない「寂しい」って気持ち、昔は味わっていたから分からないでもないの。

悪い男たちは、心に隙間がある少女たちを探して、その子のネガティブな感情に理解を示して、心に入り込む。
目的を果たすために、親身な大人のふりをする。
SNSからリアルの世界に誘い出してしまえば、ほとんど目的を果たしたも同然・・・なのかもね。

これは2010年前後の話だから、けっこう前の出来事だけど、ツールが変わってもきっかけは変わっていないと思う。

SNSは、ネットを介してたくさんの人たちと繋がれて、身近な人が理解してくれない気持ちも誰かが共感してくれて、心の拠り所になるのは分かる。

でも、リスクが多いのも確かで、やっぱり程々に使うのが一番よね。
自分の心の全てを預けてはダメなのよ。

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