突然ですが、今日は二年前に勤めていた会社が在る場所に行ってみました。
二年前の今頃と言うと、ブラック上司からパワハラを受けていた頃。
春の話だったから、二年前の今頃はまさに悩んでいた時期だわ。
心身ともにおかしくなって、自分もなってみて初めて、うつ病の深刻さが理解できたのよね。
もう、あの場所には二度と行きたくないと思っていたけれど、『あえて行くべき』と思う理由がありまして・・
最近、また組織に属して働く事を考えているのだけど、一歩踏み出そうとするといつもパワハラを受けていた頃の記憶が頭を過ぎるの。
心の澱
会社に向かうまでの、朝の憂鬱な時間。
足取りは重たいのに、有名な観光地だったから景色だけは賑やか。
活気がある風景に、いつも自分だけ取り残されていたのよね。
働く前までは大好きな街だったのに、あの出来事のせいで一気に嫌いになったわ。
そして、いつもブラインドを締め切っていて、外の明かりが入ってこない薄暗いオフィス。
薄暗くて、ただでさえ辛気臭いのに、ブラック上司のせいで重苦しい空気。
あの場所で、仕事だけが生きがいっぽいクソみたいな人間に、一体どれくらいの人がボロボロにされたのだろう?
今でも、あの薄気持ち悪い男のクソつまらない自慢話に、愛想笑いで相槌を打っている人がいるのかしら・・
嫌な思い出なんて早く忘れたいのだけど、結局あたしはこの二年間、縛られたままだったのよね。
どうすれば心を浄化できるのか
今のままでは生活が成り立たなくなる事は分かっていても、なかなか進めなかった。
今度、倒れてしまったら、いよいよもう立ち上がれないかも知れない。
自分が知らない「最悪の自分」になってしまうのは、心の底から恐ろしいのよ。
どんなに慎重なつもりでも、最悪の結末に進む選択をしていることがある。
「三度目の正直」どころか「二度あることは三度ある」の、嬉しくない方。
でも、留まっているだけでは、埒が明かない。
あたしは、変化しないまま愚痴を言っている人間が大嫌いだった。
留まってしまう理由が、あの人生最悪の場所にあるのなら、もう一度向き合うべきよね。
悪い思い出がある場所にあえて訪れて、新しい記憶に上書きするのよ。
そして、過去は二度と訪れないし、あの時の自分はもうどこにもいない事を確認しよう。
憂鬱な道程
そんなわけで、憂鬱な思い出がいっぱい詰まった通勤路を再現してみました。
乗る電車まで再現しちゃうと、会社の人に会っちゃうかも知れないので、さすがに時間はずらしたけど。
久しぶりに歩いたあの道は、昔とほとんど変わっていなくて、忘れていた細かい記憶まで蘇ってくる。
きっと、季節も一緒だから余計だよね。
いつも渡る大きな橋の前に桜の木があって、昔もよく眺めていた。
綺麗に咲いた時から散っていく時まで。
橋から見える大きな川は、いつもキラキラ輝いていた、水は濁っていて汚いけど。
橋を渡り切れば、幹線道路沿いに少し古いビルが並ぶ。
春の日差しを照り返して、じりじり暑いのは変わらない。
歩いていると、憂鬱な気持ちが蘇ってくる。
そのうち、嫌な思い出がたくさん詰まったビルが見えてきた。
クソみたいな上司と、自分らしくない自分
上司はクソだし、社食もまずかったし、設備も古臭いし、ほんと良い所がなんにもない。
ほんとクソ。
クズ。
こんなビル、消えればいいのに。
それでも、入館手続きをして、自分が働くフロアに行かなくてはいけなかった。
いや、ブラック上司からは『戦力にならないお前なんていらない』みたいなことを毎日言われていたから、『行かなくてはいけない』は正しくないよね。
今となっては、なんのために我慢していたのかも分からない。
強いて言うなら、『社会的な体裁』かな。
でも、今のあたしはもう『体裁』にこだわっていない。
あのビルにも入館しなくていい。
そう、過去のあたしはもういない。
今は二年前じゃない。
過去と決別を
『クソが』って思いながら、心の中でビルに中指を突き立てたポーズをして、前を颯爽と通り過ぎてやった。
あの憂鬱な通勤路を歩き切った時、なんか胸がすっとした。
『この先、生きていて何か良い事があるのかな・・・』
『もう死にたい・・・どうやったら苦しまずに死ねるのかな・・』
二年前のあたしは毎日、こんな事ばかりを考えていた。
あの最悪な状況にも『その先』があったんだよ?
生きていたからね。
決して、順調でも理想的でもないけれど、幸福だと思える事だってたくさんあるの。
今まで知らなかった事も、たくさん知ったのよ?
あたしを『死にたい』と思うまで追い詰めた奴らのことは、絶対に許さない。
許さなくていい。
でも、そろそろ不甲斐ない自分を許してあげよう。
さあ、これでもう辛い過去にこだわるのはやめて。
それは、何も意味のないことだから。
これからは新しいことをインプットしていこう。
いつ死ぬか分からないけれど、納得する選択肢をしていけば後悔はないでしょう。
悩んでもまごついても、もう自分らしくない場所には決して進まないように。