蜘蛛の巣の張り方

ごきげん吉田羊

一か月前ぐらい、同い年のゲイのお友達と飲んだのね。

その子はあたしと違って一人暮らしでね、ちょっと場末のスナックのホステスみたいな空気感を持っていて、なんとも言えずいい感じ。

人の話を優しく包み込むように「うん、うん」って聞いてくれるの。
そこにまた場末のスナックのホステス感が出るのよね。

そんな彼女は、けっこう男が途切れないタイプなので、戦法を教えてもらったんだけどさ…

一人暮らしの部屋に相手を呼んで、手料理とお酒を振る舞うというスタンダードなもの。

イメージするのなら「蜘蛛の巣」を張って、そこに捕まった相手を捕食するって感じよね。

うーん、シンプル。

あたし、いっつも相手の言動から「どうやったら正しい振る舞いができるか?」とか考えちゃうんだけど、自分の巣に引き込んじゃえば、小細工なんていらないのね。

まあさ、あたしの場合は実家暮らしだから、蜘蛛の巣戦法は使えないけど。

考えてみたけど、ほっとできる環境っていろんな人が求めてるんじゃないかしら?

そう思うと老若男女問わず、蜘蛛の巣戦法って有効そうよね。

あたしも…いつか使ってみたいわ。

ウィークリーマンションとかでやってみようかな?

 

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