スーパーで値切るじーさんと半額商品

ふきげんよう。

この前、久しぶりに閉店時間も近くなった夜のイ〇ンに行ったの。

お家に引きこもっていた頃、夜のスーパー巡りはあたしのライフワークだったけど、仕事してるとあんま行かなくなるわね。

昔のルーチンを辿るように、半額商品がありそうなコーナーを巡るあたし…

そうすると、ふとこんな光景が目に入ったの。

年金暮らしであろう、くたびれた雰囲気のじーさん。
お惣菜コーナーにある生蕎麦のお弁当を、その場で値引き作業をしていた店員さんに、半額にならないか確認している模様。

しかし、イ〇ンの生蕎麦弁当は賞味期限が長いらしく、

「賞味期限があと二日先だから、値引きにはならないっすね!」

と爽やかに断る店員。

しかし、それをまったく理解しようとせず、食い下がるじーさん。

そんなじーさんに

「賞味期限があと二日先だから、値引きにはならないっすね!」

と、さっきと同じ事実を告げる店員。

尚も理解しないじーさん、「今日はもう閉店が近いから安くならないのか?」と、意味不明な言い分で店員に値切るも

「賞味期限があと二日先だから、値引きにはならないっすね!」

さっきと同じ調子で同じセリフの店員、もはやAIなのではないか‥?

このやり取りはもちろん店員の勝利だけれど、あたしも半額乞食なので少し胸が痛かったわ。

まあ、理不尽なのはじーさんの方だけどさ。

さて、その二日後、今度はお昼に買い物に出掛けたあたし。

最近、いろんな所にある「道の駅」みたいなお店の和菓子コーナーを眺めていたら、美味しそうな塩豆餅が半額になっていたの。

あんこのはいっていないお餅で、硬くなってたらオーブントースターで温めれば美味しいんだって。

思わず買い物カゴに入れそうになったのだけど…ちょっと待って。

この高齢化&格差社会。

弁当を値切っていたじーさんみたいに、半額になったお餅を楽しみにしている、ヨタヨタしたじーさんやばーさんがいるのではないかしら?

「年金生活だからねぇ…あんまり贅沢はできないから、半額になっているお餅が楽しみなの…」

とかって話す姿を想像してしまったわ。

アラフォーとはいえ、まだ若いあたしがじーさんやばーさんのささやかな幸せを奪うわけにはいかない。

ここは身を引いておきました。

閉店間際なら遠慮しないけど、まだお昼だったしね。
高齢者も元気にうろついている時間帯よ。

じーさんが弁当を値切って店員に迷惑をかけるのはどうかと思ったけど、見えない誰かのために少しだけ気を使えるようになったわ。

まあ、ただの妄想ですけど。

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