生田斗真くんがトランスジェンダーの難役に挑戦した、映画「彼らが本気で編むときは、」
みんなはチェックしたかしら?
あたしはトランスジェンダーの当事者だけど、生田斗真くんの演技は素晴らしかった!
もちろん、ストーリーも最高だったわっ
今回は、生田斗真くんの好演が光った、映画「彼らが本気で編むときは、」をレビュー♪
※映画のネタバレを含むため、これから映画を観る予定の方は注意してね!
目次
ざっくりと「彼らが本気で編むときは、」のストーリー
母親と二人で暮らす小学五年生の少女トモ(柿原りんか)。
母・ヒロミ(ミムラ)はいつも仕事の帰りが遅く、用意してくれる食事はコンビニのおにぎりばっかり。
そんなある日、母が置き手紙を残して、行方をくらましてしまう。
驚かないトモ。
母が突然いなくなるのは、これが初めてではないからだ。
前回と同じように、電車で少し離れた所に住む叔父・マキオ(桐谷健太)の元へ、荷物を持って向かうトモ。
しかし、マキオの家には以前と違うことがあった。
マキオの恋人・リンコさん(生田斗真)が一緒に住んでいたのだ。
美味しい食事やお弁当を用意してくれて、母からは受けてこなかった、細やかな愛情を与えてくれるリンコさん。
戸惑いながらも、トモはリンコさんに心を開いていく。
「彼らが本気で編むときは、」の主要登場人物
リンコさん(生田斗真)
トランスジェンダーで、元は男性だったが、性別適合手術を行い女性の体になった。
戸籍はまだ変更していないので、男性のまま。
介護士として施設で働いている。
穏やかで、相手を包み込むような優しさを持つ女性。
マキオ(桐谷健太)
トモの叔父で書店員。
何事にも動じない、大らかな印象の男性。
介護施設に母を預けたのをきっかけに、そこで働いているリンコさんと出会う。
母の世話をするリンコさんと触れ合い、その綺麗な心に恋に落ちた。
トモ(柿原りんか)
マキオの姪っ子、小学校5年生。
母と二人の母子家庭で、放置されがち。
いつも、母が用意するコンビニのおにぎりとレトルトの味噌汁で食事を取っており、手作りの食事に飢えている。
やや、ぶっきらぼうだけど、根は優しい女の子。
ヒロミ(ミムラ)
トモの母で、マキオの姉。
子供の事よりも自分の感情を優先してしまう女性。
交際している男性に夢中になり、仕事を辞めた挙句、トモをマキオに預けて行方をくらましてしまう。
カイ(入江海翔)
トモの同級生で友達。
バイオリンが得意な、心優しい男の子。
上級生の男の子に恋をしており、それが原因でクラスではのけ者にされている。
ナオミ(小池栄子)
カイの母親。
セクシャルマイノリティに理解がなく、リンコさんに対し、差別的な態度を取る。
その態度が、息子のカイを追い詰めてしまい・・・
サユリ(りりぃ)
ヒロミとマキオの母、トモの祖母。
リンコさんが働く介護施設に入所しており、痴呆が進んでいる。
ヒロミが子供の頃は、とても厳しくしつけていた。
母娘の間に確執がある。
フミコ(田中美佐子)
リンコさんの母親。
リンコさんの一番の理解者。
子供時代、学校に馴染めなくて苦しんでいたリンコさんを、大きな愛情でフォローした。
その他にも、細々とした登場人物はいるけど、ストーリーに大きく関わってくるのは、この人たちかな。
ここが良かった!「彼らが本気で編むときは、」の見所
「彼らが本気で編むときは、」は、あたしの中では五つ星!
2017年度のアカデミー賞は、たくさん賞を取るんじゃないかな?って、今から期待してるの。
あたしの中で、「彼らが本気で編むときは、」の見所をまとめてみたよ!
生田斗真の「リンコさん」、とにかく素晴らしい!
何よりも、生田斗真くんの演技が素晴らしい!
これに尽きるわねっ
リンコさんはトランスジェンダーという設定なので、昔は男性だったのだけど、生田斗真くんの演技が少しでも「おかまっぽい」感じになっちゃうと、興醒めしちゃうかな?って心配だったのよ。
でも、リンコさんの初登場シーン(マキオの家でトモと初対面する)で、話し方や所作が女性そのもの。
全然、生田斗真くんじゃないみたいだった。
声のトーンとか、語尾を優しくゆっくり話す所とか、リンコさんの母性的で愛情深い性格にぴったりだったわ!
リンコさんだけじゃなく、「トモ」も好演
トモを演じた柿原りんかちゃん、すごく演技が上手だった。
トモは年齢のわりに、白けていてぶっきらぼうな女の子なんだけど、やっぱりまだ子供なのよね。
でも、リンコさんの愛情を受けて、子供らしい一面を取り戻していくのよ。
トランスジェンダーのリンコさんに対して、理解のない人たちが差別する描写があるんだけど、子供ながらに毅然と立ち向かっていく姿が、とても健気だった。
変に芝居がかってる子役もいるけど、柿原りんかちゃんの演技は自然で良かった。
リンコさんの母・フミコの偉大な愛情
リンコさんの一番の理解者である、フミコさん。
子供の苦しみを、自分に起きたことのように受け止め、常にリンコさんをフォローしてきたのよね。
リンコさんの愛情深さって、このフミコさんの偉大な愛情を受けてきたからって、ちゃんと裏付けされているのがいい。
特に、リンコさんの中学生時代のエピソードは、すごく感動したわ。
実はこのシーン、ラストへの伏線にもなっているんだけど、それは内緒ね。
セクシャルマイノリティに対する差別も描いている
リンコさんと触れ合って、その人間性を理解している登場人物もたくさんいるんだけど、どうしても相容れない相手もいるのよね。
中でも、小池栄子さん演じるカイの母親・ナオミは偏見の塊みたいな女性。
リンコさんを一目見ただけで、話したこともないのに異常者扱いしたり、自分の息子がリンコさんに心を開いているのが悔しくて、児童相談所に通報したり、いろいろと掻き回してくれるわ。
また、トモが通う小学校でも、男の子が好きなカイや、リンコさんと暮らしているトモがのけ者にされるシーンがあって、まだまだセクシャルマイノリティに対する偏見がなくなっていない事が描かれている。
あたし自身も、こういう差別や偏見って今までたくさん受けてきたから、すごくリアルに感じたわ。
音楽がいい
「彼らが本気で編むときは、」は、あたしが大好きなスールキートス制作!
スールキートス制作の映画と言えば、あたしの中では癒やし効果抜群だと思っているわっ
劇中に流れる音楽は控え目で、演技やシーンの雰囲気を邪魔することなく、しっくりと馴染んでいるわ。
さすが、スールキートスの演出よ。
タイトル「彼らが本気で編むときは、」の意味
あたしはこのタイトルがすごく不思議だったんだけど、リンコさんはね、編み物が趣味なの。
悔しい事や悲しい事があった時、怒りをぶちまけずに「なにくそっ」って思いを毛糸に編んで解消していくのよ。
劇中で、リンコさんは煩悩の数だけ「あれ」を模した物を編んでいるんだけど、これは映画を観た人だけのお楽しみね♪
とにかく良かった!「彼らが本気で編むときは、」
「彼らが本気で編むときは、」は役者、ストーリー、音楽、なに一つ文句なし!
あたしの中で「2017年に観た映画TOP1」に輝き続けると思う。
何より、この映画で生田斗真くんの役者としての凄さを知ったわ。
生田斗真くんには、これからも頑張って欲しい。