キュレーションサイト運営会社の実態、クラウドワーカーは搾取されている。

mohamed_hassan / Pixabay

来月から再びお勤めを開始するので、在宅ワーク生活ともうすぐお別れ。
あたしが関わってきたお仕事は「キュレーションサイトの運営」で、なんの知識もない所から始めて、一つのセクションのリーダーになったぐらいだから、まあ頑張ったわよね。

だけどさ、このキュレーションサイトってやつ、今のネット界では嫌われているみたいね。
正直言うと、内部にいたあたしも、仕組みを知れば知るほど嫌いになったわ。

今日は、キュレーションサイトの暗部を、一年以上働いたあたしがこっそり明かしちゃうわね。

まず、キュレーションサイトって?

主に「まとめサイト」なんて呼ばれていて、芸能ネタから暮らしのお役立ちネタに雑学まで、いろんな情報をまとめているWebメディアのこと。
大体がIT系の企業が運営していて、なんでキュレーションサイトを作るかって言うと、それは・・

広告収入

アフィリエイトはもちろん、このブログもお世話になってるGoogleアドセンスなどで、収益を上げることが目的のサイトなの。

ここ数年で一気に増えたわよね。

例えば、何か欲しい物があって「〇〇(商品名) おすすめ」なんて調べてみるとさ、

「〇〇のおすすめランキングTOP10!便利な人気アイテムは?」

みたいな検索結果が上位に表示されるでしょ?

ああいうのはほとんどキュレーションサイト。

まあ、自分で調べなくても、まとめてくれているんだから、便利と言っちゃ便利よね。

キュレーションサイトはなぜ嫌われているのか?

あたしはキュレーションサイト内部にいたから、よく知っているけれど記事を作る時ってさ・・

競合サイトや参考になりそうなサイトの情報をパクって、引用って分からないくらいにリライトしているだけなのよ。

本来ならばさ、何かをおすすめしたい時って、自分で取材したり調査したりするでしょ?

例えば、あたしもいくつか特定のお店の食品メニューなんかについて、ランキング記事を書いたりしてるけど、あれはあたしが実際に体験したことを記事にしているわよね?

そういうのを「一次情報」と言うんだって。

でも、キュレーションサイトはそういう一次情報を上げているサイトの記事を引用してきて、リライトしているだけ。

ライターが実際に調査しているわけではないサイトが、ほとんどなのよ。

そして、どのキュレーションサイトもほとんど同じ手法で記事を作成しているから、

某Webサイト(一次情報の持ち主)←Aのキュレーションサイトが勝手に引用・リライト←Aが引用・リライトしてきた情報をBのキュレーションサイトが引用・リライト←Cも全く同じ

こんな感じに、競合サイト同士で引用とリライトを重ねているの。

だからさ、検索結果上位に表示されるキュレーションサイトをいくつかチェックしてみると、ほとんど同じアイテムやお店が紹介されていたりするでしょ?
キュレーションサイトが「パクりメディア」なんて言われるのは、これが原因なの。

キュレーションサイト運営の内部では、こんなことが行われているのね。

この滑稽さや不毛な感じ、広告収入さえ得られれば何でもあり!みたいなやり方に気付いている人は、キュレーションサイトが嫌いになるよね。

同じテーマの記事が量産されるのはどうして?

始めにキュレーションサイトは広告収入やアフィリエイトで収益を上げていることを説明したけど、広告収入を得るにはサイトの閲覧数が多くないと話にならないよね。

PV(ページビュー)とも言うらしいけど、このPVを稼ぐにはどうすればいいと思う?

それは、

GoogleやYahoo!などの検索エンジンで、何回も検索されているキーワードで記事を作成すること

↑これが大事なの。

Googleが提供するサービスには「キーワードプランナー」という、「特定のキーワードがどれくらい検索されているか(検索VOLと呼ばれている)」を調査するツールがあるのね。

検索VOLが高いキーワードを記事タイトルや記事に盛り込んでライディングして、それをネット上にアップする。
そうすると、検索エンジンで誰かがそのキーワードを調べた時に、検索結果に表示される。
そして、その人が目論み通りにサイトに訪れて、サイト内に配置されているバナー広告をクリックすれば、それだけで収益が発生したりするわけ。

より多くの人に検索されているキーワードで記事を書かないとPVが見込めないため、いろんなサイトが同じようなテーマの記事をアップしているの。

どこのサイトも、タイトルや記事内容の傾向が似ているのはなんで?

キュレーションサイトでもう一つ重要な事があるんだけど、それは

Googleから高評価を得て、検索結果上位に自社サイトを表示させること

みんなもネットサーフィンをしていると分かるだろうけど、何か調べている時って検索結果1ページ目しか、ほとんど見なくない?

それも、1ページ目の半分から上ぐらいだけしかチェックしなかったりとか・・

実際、そうらしくて、クリック率がいいのって1ページ目の上位だけなんだって。

だから、キュレーションサイトを運営している会社は「検索上位」を狙っているんだけど、どうやったら「Googleから高評価を得られるか」については明かされていないの。

そうなってくると、どうするか?

現在、検索結果上位に表示される競合サイトを模範にすればいいじゃん

↑こういう思考になるわけ。
記事内容もパクっているけど、もっと細部も真似ているの。

例えばさ、

・記事タイトルの文字数
・記事タイトルにどんなキーワードが使われているか
・記事中に検索キーワード(対策キーワードともいう)が何個入っているか
・記事の文字数は何文字ぐらいか

こんな感じに、現時点でGoogleから高評価を得ている記事から、いろんな部分を模倣していくわけね。

だから、違う会社の違う人が作っているのに、どこの会社も似たような傾向のタイトルや記事が完成するの。

運営しているのは、ほとんどが「クラウドワーカー」

さて、仕組みの話は終わって、今度は内部のお話。

クラウドワークスとかランサーズなんかのクラウドワーキングを扱うサイトで仕事を検索すると、「Webライター」のお仕事っていっぱいあるでしょ?

女性のライフスタイルについての記事やコスメやファッションについての記事を扱うサイトです!
1記事3000文字以上で1500円以上の高単価!

こんな感じ。

あんなのはほとんどがキュレーションサイトのライター募集。

一見、高収入に見えるんだけど、この手のライティングってね、一つの記事を書き上げるのにすっごい時間が掛かるのよ。

あたしみたいに、自分の思い付いたことを好き勝手にテキストにしていれば、3000文字なんて1時間ぐらいでタイピングできる量だけどさ、キュレーションサイトのライティングは違う。

さっきもチラッと話したけど、記事中に対策キーワードを指定された数以上、入れなくてはいけない。

例えば、「佐々木希 結婚」を対策キーワードにして記事を書くとして、競合サイトが「佐々木希を60個以上」「結婚を70個以上」記事中に入れていたら、こちらもそれ以上、入力する必要あり。
その他にも、対策キーワードほど検索VOLはないけど、PVが見込める「関連キーワード」なんてものもあって、それも決まった数を入れなくてはいけないの。

それだけで、もうテキストを好き勝手にライティングできないの。
「佐々木希」を「彼女」なんて置き換えて書くことはできないから、

先日、結婚された佐々木希さん。
結婚した佐々木希さんに、なんと妊娠の情報も!
とても可愛い佐々木希さん、きっと佐々木希さんの産む赤ちゃんも佐々木希さんみたいに可愛いはずですね!

↑読んでみてどう?
「佐々木希」を一定数入力しなくちゃいけないから、何か不自然な感じがするでしょう?
すごいくどい。

それにね、キュレーションサイトってセクション毎に画像が差し込んであるでしょ?

あれも、「最低でも40枚以上は関連する画像を差し込んで下さい」とかって指示があるの。

でもね、画像の無断転載問題は炎上の原因になるから、どこのキュレーションサイトも最近はなぜだかTwitterやインスタの画像を使っているみたい。
一般人が無断使用した画像を使うならOKって、それじゃ最近問題になって閉鎖した「漫画村」と同じ考え方じゃ・・

ちなみに、画像の使用については、あたしもちょっと使わせてもらっているので、そこまで厳しく糾弾できないのだけど(ごめんなさい)

そんなわけで、いろんな制約があるから、キュレーションサイトのライティングって時間効率が悪いのよ。

コピペや引用が多いと、サイトに対するGoogleからの評価が下がって、検索上位に表示されなくなるし、競合サイトの情報を参考にしつつ、リライトっていうかアレンジしなくちゃいけない。

3000文字で1500円もらえるとして、この記事を仕上げるのに5時間ぐらい掛かるかも。
そしたら、時給300円・・・
しかも、PCの電気代とかも自分持ちだと思えば、もっと安くなるんじゃないかな?

クラウドワーカーから搾取する運営会社

運営費を安く収めて、収益を上げようとするキュレーションサイト運営会社。

酷い会社だと、管理すらもクラウドワーカーに投げちゃうの。

マニュアル作成とか新人研修とか、そこは自分たちでやった方が良いところも、全部クラウドワーカーに丸投げ。

クラウドワーカーってさ、個人事業主って扱いで雇用されているわけじゃないから、運営会社が何を保障してくれるわけじゃないのよ。
だからこそ、身軽に自由に働けるのに、保障はないのに責任だけは押し付けるって、いくらなんでもやりすぎ!

割に合わない報酬で使うだけ使って、文句を言うならあっさり使い捨て・・・

あたしは二社ほど経験したけど、両方とも20代の若い男が経営しているようなITベンチャーでさ・・
ちょっと儲かっているからって、調子に乗ってたわ。
でも、若くして少し成功しても、人間性があれじゃね。

実際、運営会社にインターンが入ってきても、その場にいる人が仕事を教えないで、ネット上のクラウドワーカーが研修を始めるもんだから、辞める若者が続出していたわ。

キュレーションサイトは衰退するのではないかと思う

短い間だけどキュレーションサイト運営に関わって、知れば知るほどあたしは疑問と違和感が強くなったの。
Googleの高評価を得るには「質の良い情報を提供する」って事がマストだけど、二番煎じよりももっと薄い情報が、質の良い情報とは思えない。

でも、キュレーションサイトの間では、お互いの情報を模倣し合い、時には同じ運営会社の情報を引用することも・・
共喰いも当たり前で、数をたくさん打って、そのうちのどれかが広告収入をたくさん得るコンテンツになればいい。

広告収入が欲しいだけで、ユーザーに質の良い情報を提供しようなんて、全然まるで思っていないのよ、キュレーションサイトの運営会社は。

こんな状況を危惧したのか、Googleからの評価基準も厳しくなってきたみたい。
これを機に、引用にリライトを重ねているだけのサイトが減っていけばよいと思う。

あたしが運営しているような自己流ブログをクソブログ認定してくれる人もいるけど、キュレーションサイト運営と似たような手法が正解なら、あたしはクソブログでけっこうよ!

確かに、広告収入が多かったら嬉しいけれど、あたしはあたしらしくブログ運営を楽しみたいの。
商業や利益に走ると、面白くなくなっちゃうからね。
これからも、ブスが運営するクソブログで頑張るわよ!

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