原田ひ香「DRY」読了。底辺で生きる闇

ごきげんよう。

今日は久しぶりに本の紹介だよ。

いつも、あたしのこれといって面白くない日常の話でごめんね。

だけど、本の紹介でも別に面白くないよ(笑)

というわけで、紹介したい本なんだけど

原田ひ香さんの「DRY」

この方の小説は、昔一冊だけ読んだことがあるのだけど、テンポが良くて読みやすい印象ね。

ページ数が多すぎないのもいい感じ。

さてさて、今回のお話なんだけど、主人公は三十代前半の女性・藍。

自らの不倫が原因で夫から離婚を突き付けられ、二人いる子供も取られ、タワーマンションから必要最低限の家電しかないボロアパートの生活へ。

ただでさえ最悪の状態なのに、反りが合わず避けていた実家の母と祖母が事件を起こし、仕方なく関わることに・・

っていう、殺伐とした状況から物語が始まるの。

藍の結婚生活についてはリアルタイムで描かれないけど、破綻のきっかけになった不倫に至るまで、小さな積み重ねがたくさんあって、それには彼女の生い立ちが深く影響しているというか・・

母と祖母はなかなか強烈なのよね。
まあ、共感しにくい二人なのだけど、娘の藍は意外と普通の感覚を持っているの。

ただ、どこか外れてしまっている部分も持っている。

そんな主人公一家の隣人に、この物語のキーパーソンになる「美代子」という女性がいるのだけど、彼女には驚くべき秘密があって・・

と、ネタバレになるので、詳しくはお話しません。

この物語の主要登場人物なんだけど、「社会に取り残された人」って印象なのよね。

最近よく聞こえてくる「自己責任」の向こう側の人々。

底辺とか貧困とか、ずっとそんな言葉が浮かんでくるのだけど、そう遠くない立場にいる身からすると、なんかリアル。

日常からかけ離れたショッキングな事件に主人公が巻き込まれていくのに、底辺に生きる闇とマッチしていて、読んでいるうちに違和感がなくなっていくの。

そう、あたし、どこか外れてしまっている主人公に違和感がなかったのよ・・

エンターテインメントじゃなくて、身近に感じてしまった。

・・・って、ネタバレしないように伝えると、何を言ってるんだか分からないわね。

興味がある人は是非読んでほしいわ。

おすすめの一冊よ!

 

 

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